チキンラーメン、キレイな卵のCMどおりにつくるのは無理?日清食品さんに聞いてみた
この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、なかなか自宅では再現できない、CMで白身がキレイに乗っかるチキンラーメンの謎について迫ります。
【今回ご回答いただいた企業】
日清食品グループお客様相談室様
もう20年は前になるだろうか。大阪はなんばの某飲み屋で「CMのチキンラーメン」という名前のスペシャル・メニューがあった。どんなメニューかというと、その名の通りチキンラーメンのCMでお馴染みの、卵の白身がキレイに固まったまんまでスープの上に浮いた丼が出てくる。丼のフタを開けた瞬間、誰もが「わあーっ」と声をあげてしまうことウケアイ。看板に偽りなし、それほど見事な出来栄えであった。確か一杯500円くらいしたような記憶があるが、今考えるとなかなかのボッタクリ……もとい技術料である。
そんなメニューが成立してしまうくらい、あの「CMのチキンラーメン」を自分でつくるのは難しい。誰もが一度は「CMみたいなキレイな見た目のチキンラーメンをつくってみよう」と挑戦した経験があるはず。しかーし、チキンラーメンの上に乗っけた卵が、お湯をかけた勢いで全体がヨレてしまい、フニャフニャの残念な結果になってしまうことがままある。
冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵だと、お湯の温度を殺してしまうのか、卵を置いた部分の麺の戻りが中途半端で固麺のまんまだったりするし。それはそれでそれなりに美味しいのが、チキンラーメンのすごさだと思うのだが、「なぜCMのように、卵の白身がちゃんと中央で固まって美味しそうな出来栄えにならないのか?」と、いつも悔しい思いをしているのは筆者だけではあるまい。
今まで「なんとかCMどおりの見た目にならないものか?」と頑張ってきたが、どうしてもできなかった。我流でやるのにも限界がある。
そこで、メーカーの公式見解を聞いてみることにした。だから直接、日清食品グループお客様相談室さんに聞いてみた。
「チキンラーメンに生卵を入れてお湯を注いでも、CMみたいに白身がキレイに白くならないんですが、コツとかあるんですか?」
担当者 まず、お湯の温度はもちろん熱湯でお願いできたらと思うのですが。
–はい、そこはもういつもアツアツなのを。
担当者 それ以外に、例えば麺やお湯を入れる前に、どんぶりを温めていただけたらと思います。ちょっと温めていただきますと、なかなか温度が下がりにくくなるというのがございますので、そういった方法とか、やはりフタをちゃんとしっかりしていただくとか、あとそのフタのほうも温めていただくとかですね。なるべく温度が下がらないようにというか、熱湯だったとしても1分とかたつと冷めてしまうので、なるべく沸騰させ、その熱湯も温度が下がらないような環境を作っていただくという。
–とにかく、お湯の温度を下げないように最大限の努力をするということでしょうか?
担当者 あと、大変言いにくくて申し訳ないのですが、CMどおりまで白くなるというのは、ちょっとなかなか難しいと思うのですね。ですが、一度ちょっとお試しいただけたらと思いますが……。