ウーバーイーツ、客から女性配達員への非常識行為が深刻…顔写真登録で問題も

　サービス提供エリアは47都道府県に広がり、各地で大きなリュックを背負った配達員の姿を見るようになったUber Eats（ウーバーイーツ）。自転車配達員が急増した頃は、その運転マナーに対する怒りの声が大きかったが、最近は配達員の知られざる苦労も話題になることがある。そんななか、最近注目されたのが、配達先でセクハラを受けたという女性配達員の話題だ。ネタ元となったニュースは2020年に配信されたもので、自転車運転マナーの問題や報酬の問題など、配達員に関する問題を広く取り上げたものだが、その記事から女性配達員の問題を切り抜いた投稿に大きな反響があった。

　2018年1月からウーバーイーツの自転車配達員として自転車を漕いでいる筆者の周囲にも女性配達員がおり、女性特有のトラブルはよく耳にしている。そこで女性配達員に聞いた男性はなかなか遭遇しないトラブルを紹介したい。

　よくあるのが、話題となった投稿にもあった、客がパンツ一丁で出てくるパターン。

「ウーバーイーツには注文者が担当配達員の現在地を確認したり、その人の顔写真を確認できる機能があるのですが、その機能で配達員の情報を確認せず、自宅ではパンツ一枚で過ごす方が商品を受け取る際に出てしまったという事故のようなケースもあると思います。が、なかには『置き配でお願いしますと書きましたが、直接受け渡しに変更してください』というメールを商品の配達中に送ってきて、ベルを鳴らすとパンツ一枚で出てくる方も。さらに何も服を身につけないで出てくる方もいますね」

　このような悪質なものも。

「ウーバーイーツのアプリは、配達している間、配達員と注文者が直接電話できる仕様になっています。その通話機能を使って『足をケガしているので、部屋の中まで入ってきてほしい』と言われたことがありました。もちろん断ってドアの前に商品を置いて帰りました。もし現金配達を行う設定にしていたらと思うとゾッとします」

　注文者はクレジットカードなどのキャッシュレスでも現金でも決済できるウーバーイーツ。だが、現金決済の場合、たくさんの釣り銭用の小銭を用意したり、配達中に注文者から受け取った多額の現金を持ち歩いたりしなければならないといった手間やリスクが発生する。そのため、配達員用のアプリには現金払いの注文を拒否する設定がある。現金決済の配達を行えば配達依頼が増えるが、このようなトラブルが発生した場合に困ってしまうだろう。

「写真と違う人が配達に来たと注文者から通報がありました」

　さらに登録する写真でトラブルも。

「配達員に登録する際、ウーバーに写真を送信するのですが、その時にお気に入りの写真を送信しました。で、ある時運営から『写真と違う人が配達に来たと注文者から通報がありました』と警告のメールが届きました。配達で疲れていたのでその時の表情と写真の顔にギャップがあって、注文された方は配達員を評価する画面で『全然違う顔じゃないか』という軽い気持ちで『違う人物が来た』という評価をしたのだと思います」

　この「違う人物が来た」は、たくさんの外国人が1つのアカウントを使って配達していたことを問題視した運営会社がつくった通報機能。そのためこの評価を受けた配達員は最悪の場合、アカウント停止（＝クビ）になる可能性がある。

「運営側とやりとりしてアカウント停止になることはありませんでしたが、誤解を解くための作業が大変でした」

　トラブルではないが、他にも気を使うことが。

「注文者は、配達員が決まった時点で、その人の顔写真や現在いる場所が確認できます。そのため注文が来るまでの間、自宅で待機していると家がバレてしまいます。だから配達をするときは家から少し離れた場所で注文を待たなければいけない。真冬や真夏、外での待機はものすごくきついです」

　このような危険を回避するためには、配達員の顔写真を表示する機能を停止するのが最善の方法と思われる。そのため数年前、運営側に顔写真表示機能を停止したほうがいいのではといった提案をメールしたことがあったが、顔写真表示機能は現在も継続されている。

　このような内容を見て自分は男性だから大丈夫と思ってはいけない。先日、大阪で配達をする小太りの中年男性配達員が配達先のマンションに行ったところ、何も服を身につけない全裸の男性がドアを開けて登場。その男性は商品を受け渡すまでの間、体を彼に見せつけて満足気だったという。配達中、男性も被害に遭う可能性があるのだ。