トヨタ自動車が2024年度の国内生産の目安を1日当たり1万4000台程度とする計画であることが2日、分かった。現在は1万5000台近くと、国内工場の多くでフル稼働状態となっており、生産現場にゆとりを持たせて品質確保につなげる。ダイハツ工業や豊田自動織機などグループ企業で認証不正が相次いだことを踏まえた。
工場の稼働時間の上限も原則30分短縮する。トヨタの工場は通常1日2交代制で、8時間程度の定時勤務に加え、残業を行うことで稼働させている。稼働時間の上限は生産計画に基づいてラインごとに定められており、残業部分の上限を30分短くする。新型車の開発計画についても、スケジュールを遅らせることを検討する。稼働時間短縮については2月から運用に着手したという。
トヨタの国内工場では、コロナ禍の収束を受けた需要拡大や半導体不足の緩和を受けて繁忙状態が続いている。国内生産の目安を抑えて現場の負担を和らげる一方、生産ラインの有効活用などを通じ24年のトヨタとレクサスブランドの世界生産台数を約1030万台とする計画は変更しない。
グループ企業の不正を巡っては、ダイハツの第三者委員会報告書が、原因として「開発スケジュールが過度にタイトになる傾向」や「公表された発売時期や開発日程順守のプレッシャー」を挙げた。豊田織機の特別調査委員会報告書も「不正行為を行わなければ開発スケジュールを順守できないプレッシャー」があったと指摘していた。
こうした事態に関し、トヨタの豊田章男会長も1月30日の記者会見で、リーマン・ショック後にトヨタが赤字転落した背景に関し「台数や収益を優先し規模の拡大にまい進した」と指摘。その後、世界的規模のリコールが発生したことなどを踏まえ、「グループ各社にも同じことが起きている」との認識を示した。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/02/02-15:19)