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ソフトバンク、楽天モバイルの買収や合併はあるのか…支援に言及した狙い

文=Business Journal編集部、協力=本田雅一/ITジャーナリスト
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ソフトバンクとワイモバイル
ソフトバンクモバイルの店舗(「Getty Images」より)

 楽天グループが2月14日に発表した2023年12月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が3394億円の赤字(前期は3772億円の赤字)となった。

 これで5期連続の赤字で、同社の利益を食いつぶしているのは、携帯電話事業だ。グループ傘下の楽天モバイルは、基地局の設置費用などがかさみ、膨大な赤字を積み重ねている。

 昨年10月、念願だったプラチナバンドを取得し、今年の5月から導入するとしているが、それでも黒字化は簡単ではない。業界関係者は、黒字化には最低でも800万回線以上の契約が必要とみているが、昨年末にようやく600万回線に到達したばかりで、先は長い。ファミリープランの強化や、法人契約の獲得に注力するなど、契約数増加に向けた動きを強めているものの、見通しは不透明だ。

 そんななか、ソフトバンクの宮川潤一社長が楽天モバイルの支援について言及して、さまざまな憶測を呼んでいる。

 宮川社長は2024年3月期第2四半期決算説明会で、楽天モバイルが基地局を10年間で1万局設置、500億円の設備投資という計画について「さすがにできるとは思わない」と否定的な見解を示しつつ、「この(計画)ペースでは700MHz帯は生きない。1.7GHz帯と700MHz帯を組み合わせるときに、ソフトバンクの基地局の場所が適しているというのであれば議論に応じる」「バックホールを貸すことについても議論してもいい」などと語り、支援する用意があることを示唆した。

 さらに2月7日の2024年3月期第3四半期決算でも、楽天の基地局設置計画について触れ、「1万と言わず、7万、8万と全国で自前の設備をつくってほしい」とエールを送りつつ、それに対して手間がかかる伝送路、基地局のエリア、電源周りの工事などで協力すると言及した。

 宮川社長は「ラブコールではない」として、あくまでも個人的な見解であることを強調したが、市場ではソフトバンクが楽天モバイルを吸収しようとしているのではないか、とみる向きもある。

 ソフトバンクの狙いについて、ITジャーナリストの本田雅一氏に話を聞いた。

「本件、ソフトバンクが楽天モバイルの設備買収を狙っているということはないかと思います。将来的に、楽天モバイルが自力でのネットワーク構築を断念した場合、結果的にそうなることもあるかもしれないですが、近い将来にそういう(買収する)戦略はないでしょう。電波は有限の国民資産ですから、その活用を効率よく行うために、今までに経験していない周波数帯を扱っていない楽天モバイルに、基地局の設置場所と基地局を結ぶバックホールを貸してもいい、とは話していますが、それ以上のことはないと思います。

 携帯電話のネットワークを組み上げていくなかで、もっとも大変なのは場所を確保することです。基地局を設置するビルのオーナーや鉄塔を立てる場所の土地権利者と交渉し、そこに配置していくわけですが、周波数ごとに適した配置や基地局設定は異なります。楽天モバイルは新しい周波数帯で、それをやっていかなければならない。

 現在の予定では、基地局の数はあまり多くはなく、正直、周波数の活用という面で物足りない。これでは国益が損なわれかねない。だから協力してもいいよということだと思います」

 宮川社長は、楽天の三木谷浩史会長兼社長のことを「経営者として尊敬できる」、楽天モバイルについて「なくなってほしくない」との思いを語り、「事業計画が成り立つところまでいくのは時間がかかるだろうから、そのなかで(ソフトバンクが支援するといった)いろいろ議論があってもいい」と言う。

 短期的に合併、買収といったことにはならないだろうが、将来的には両者が手を結んでNTTやKDDIに対抗していくこともあるのかもしれない。

(文=Business Journal編集部、協力=本田雅一/ITジャーナリスト)

本田雅一/ITジャーナリスト

本田雅一/ITジャーナリスト

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

Twitter:@rokuzouhonda

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