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●ゼンショー、狙いは「フード業のユニクロ」
「フード業世界一を目指す」と公言するゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長の目標は大きい。「世界中に食のインフラをつくることが使命」として、原材料の調達から製造・物流・小売りまで一貫したサプライチェーン(供給網)構築に力を入れる。
北海道・十勝の直営牧場で1000頭の牛を飼育し、一部農産物の実験栽培も始めた。食材は現時点では外部仕入れが大半だが、今後は自社工場で加工した食材の比率を高める。すでに物流センターから、経営する牛丼、ファミリーレストラン、回転ずしの各チェーンや、野菜の直売店に供給しているものもある。
食品スーパーを買収する狙いは、肉や魚、野菜の販路を広げるためだ。買収したマルヤでは自社牧場で育てた牛肉をステーキや焼き肉用として販売をスタートさせた。原材料の調達から製造・加工・物流・店舗でのサービスの提供まで一貫して行う総合フード企業への脱皮を掲げるゼンショーにとって、牛丼は販路のひとつにすぎない。こうした観点から、主婦にとって外食より利用頻度が高いスーパーを新たな販路に加えたわけだ。
高齢化が進む中、インターネットの普及で宅配サービスが広がってきた。その一方で、店頭で商品を購入する回数は減る傾向にある。中堅、中小の食品スーパーにとって後継者がいないのも深刻な問題だ。
ゼンショーは、これからも食品スーパーの買収を積極的に進めていく。同社は外食業界では不可能といわれた売上高1兆円を視野に入れる。この数字は現在の年商の2倍以上になるが、同社は製造から小売りまで一貫して行うことから、業界内では「フード業のユニクロを目指している」ともいわれている。
ゼンショーの「フード業世界一」への挑戦から、今後も目が離せない。
(文=編集部)
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