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日立、V字回復で「攻め」に舵切る~世界展開のカギ、CEO・COO新設の狙いとは?

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 進藤氏は新日鐵出身で、総務や経営企画部門が長い。01年から始まった新日鐵と住金、神戸製鋼所の3社提携の実務を取り仕切ったほか、2社の合併後は北九州地区や関西などで近隣製鉄所の一体運営の計画を策定した。

 合併の際に導入したCEO、COO職を、なぜわずか1年半で廃止するのか。その理由はトップ人事をみればわかる。新体制は宗岡正二会長、進藤孝生社長ともに新日鐵出身であり、旧新日鐵主導の体制が整ったということだ。

●CEO・COO導入の狙いとは?

 CEO、COOといった肩書は、米国企業で主に用いられている呼称だ。CEOは戦略の策定、経営方針の決定といった長期的な経営事項に責任を負う。COOはCEOが決めた方針を実行する責任者になる。企業の意思決定と実務の担当者をはっきり分け、2トップで経営するのが特徴だ。ただし、法的な権限はない。会社法では会社の代表権を持つのは代表取締役、委員会設置会社では代表執行役である。CEO、COOの権限や責任に法的な裏付けはない。社長や会長と同じように、会社の内部的な職制の名称でしかない。

 では、なぜこうした呼称が採用されるようになったのか。経営責任を明確にするためだ。不祥事が発生したり業績が悪化したりすると、株主は経営陣の責任を追及する。実質的な権力を会長が持っていたりするから、第三者からは責任の所在がわかりにくい。そこで、ナンバー1がCEO、ナンバー2がCOOと、責任をはっきりさせたわけだ。

 会長がCEO、社長がCOOを兼務する企業が多いが、実態はさまざまだ。イオンは社長がCEO、副社長がCOOである。日産自動車は会長とCEOを兼ねるカルロス・ゴーン社長がCOO職を廃止し、実質的にワントップ体制にした。

「攻めの経営」に舵を切った日立は、CEO・COO体制で、さらに世界進出を加速させることができるのか。今後の日本企業の経営の在り方を問う上でも、試金石になってくるといえよう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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