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例えば、ボランティアは、まず商店街の瓦礫を片付けていきました。しかし、ショッピングモールの瓦礫は、ボランティアの人たちが片付けることはできなかった。ショッピングモールは、企業関係者しか立ち入ることができない空間であり、外部の存在を排除しています。だからこそ、災害が起きると、こうした大きな違いが起きた。商店街は単なる消費スペースではなく、実は外部の者が関わりやすい空間だったのです。
こうして、例えば宮城県石巻市では、ボランティアの人たちが商店街の瓦礫を片付け、そのことによって経営者が商店街に戻り、ボランティアと経営者たちが商店街の再生をめぐって議論を行っています。こうした商店街の多層的な機能は、ショッピングモールやコンビニでは、代替できないように思います。
私としては、商店街にある多層的な機能を利用し、生活保障となるべき地域の拠点として商店街を定位したいと考えています。
(構成=本多カツヒロ)
●新雅史(あらた・まさふみ)
1973年福岡県生まれ。学習院大学非常勤講師。東京大学人文社会系研究科博士課程(社会学)単位取得退学。著書に、『大震災後の社会学』(遠藤薫編著、講談社)がある。
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