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イオンは今後の対策として価格対応の強化で客数増を図る方針を示し、営業利益2000―2100億円(前期比17―23%増)、最終利益480億円(同5%増)とする15年2月期の当初通期業績予想を据え置いた。
これに対しても株式市場関係者の間で「価格対応強化だけで通期計画を達成できるのか」との疑問の声が上がっている。
●首都圏スーパー連合に暗雲か
さらにイオンのスーパー事業の不振が、思わぬところへ飛び火しているのだ。
それはイオンが今年5月に正式発表した、岡田元也社長肝いりの首都圏スーパー連合構想だ。同社の内情に詳しい業界関係者は次のように打ち明ける。
「これは実質社長案件なので、表立って批判する社員はいない。だが、社内の一部には、前から疑念がくすぶっていた。業績頭打ちのスーパーを集めた互助組合のような経営統合で、連合構想を実現できるのか。それよりセブンのPBに対して見劣りがするイオンのPB見直しと、子会社・系列スーパーの店舗オペレーション強化が先決ではないかとの意見が、今回のスーパー事業不振で一気に燃え上がり、同調する社員が増えている」
さらに「ご本尊の業績がこれではと、連合参加予定のマルエツやカスミにも動揺が起きている。成り行きによっては、連合構想が頓挫する可能性もある」(同)という。
もし、首都圏スーパー連合が岡田社長の思惑通り進まなければ、そもそもの目的である「首都圏攻略」も、戦略の根本的な見直しが迫られるのは必至。同社には薄氷を踏むような残り9カ月間になりそうだ。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)
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