“変わらなかった”タクシー業界に変動の兆し?新規参入で便利な新サービス続々
2つのアプリの使い分けとしては、Uberはまだ日本で開始されて間もないサービスということもあり、配車台数が全国タクシー配車には劣っている。そのため、都心から離れた場所では少々使い勝手が悪い。都内で仕事をしながら移動をしたい時、少し時間に余裕のある時はUber、都内から離れた場所での移動が必要な場合は全国タクシー配車を利用するのが良いのではないかと思う。
●車アプリの成功に見る新ビジネスの種
これまでタクシー業界は、なかなか新しいサービスが生まれてこなかった。しかしここ数年、12年に日本交通が「陣痛タクシーサービス」を始めるなど新しいサービスが出始め、Uberのような新規参入企業も現れるなど、変動の兆しが見える。横並びの画一サービスが義務付けられているかのような日本のタクシー業界ではあるが、本来ならば小型の中古車を使い乗車料金を半額にする、逆に高級外車限定で倍の値段にする、または車内で飲食物等を販売する、長距離に対しては大幅ディスカウントを導入するなど、新しいサービスが出てきても良いのではないかと感じている。
常に目線を広げ新しい動きを把握すること、把握したものから成功のポイントを検討することで、新ビジネスの種を見つけられるようになる。すなわち、さまざまな事象から成功のポイントを抽出し、それらをまとめることによってキーファクターを導き出す「クリスタライズ」という手法は、新規ビジネスを検討する際に有効だ。
タクシー配車アプリの成功から、どのようなことがクリスタライズできるだろうか?
まずは、位置情報を送信できるGPS機能、タクシーの居場所をすぐに把握できるリアルタイム性、スマートフォンの普及で誰もがその場で作業ができるモビリティ(移動性)などが挙げられるのではないだろうか。
皆さんもぜひ、現在注目されているビジネスや、そこから発想できるビジネスについて検討してみてほしい。
(文=岡田和典/経営コンサルタント・金沢工業大学大学院客員教授)
※本稿は、岡田和典氏のメルマガ「最新事例に学ぶ事業価値創造のキーファクター – 岡田流ビジネスマインド養成講座 -」から抜粋したコンテンツです。
【筆者プロフィール】
ビジスパにて、メルマガ「最新事例に学ぶ事業価値創造のキーファクター – 岡田流ビジネスマインド養成講座 -」を配信中。