だが、LINEのアカウントが乗っ取られて電子マネーなどを騙し取る事件が最近相次ぎ、セキュリティの脆弱性が問題視され、LINEは多額のお金をやりとりする株取引には不向きともいわれている。そのためSBIの新サービスは買い注文だけに限定されており、売り注文は受け付けないような仕組みとなっているが、売りたい時に売れないサービスがどこまで投資家に受け入れられるのか、疑問視する声もある。
●正確な利用者数が公表されていない?
LINEの利用者が近々5億人に達する。この数字を達成するまで交流サイト最大手のFacebookでも開設から6年5カ月を要したが、LINEは韓国IT大手ネイバー日本法人がサービスを開始した2011年6月からわずか3年で大台に乗せる。さらに海外展開への資金を得るため年内にも東京証券取引所に上場する方針で、米ニューヨークへの上場も検討している。東証上場時の時価総額は1兆円超との呼び声が高い。
そんな勢いに乗るLINEだが、利用者数をめぐり、ある疑問が浮上している。シンガポールのメディア「Tech in Asia」が今年初め、利用者やダウンロード数などについて、メッセージングアプリ各社から発表されている数字に疑問があると報じたことから、広く知られるようになった。「アプリ利用者数」には、無料アプリをダウンロードしたきりまったく利用していない人も含まれている。「Tech in Asia」は「無料サンプルを配った全員を顧客と呼んでいいのだろうか」と疑問を投げかけた。
アプリビジネスにおいて、利用者数を測る上で重要な指標はMAU(月間アクティブユーザー)である。MAUとは月1回以上利用している利用者をいう。MAUを発表しているメッセージングアプリは、中国の「WeChat」と米国の「WhatsApp」。WeChatを運営しているテンセントは香港証券取引所に上場しており、MAUの開示は義務だ。WhatsAppは非上場なので開示義務はないが、MAUを開示している。現在、WeChatのMAUは4億人、WhatsAppは5億人と開示している。