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東西目玉観光施設に明暗鮮明 USJ好調、ハルカス大苦戦、スカイツリー伸び悩み

文=編集部
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 3月7日のあべのハルカス全面開業に合わせ、あべのハルカス近鉄本店の売り場面積は10万平方メートルと日本最大となったが、売り上げが伸び悩んだことが全体の足を引っ張った。同店の売上高(百貨店部分の売上高と専門店部分の賃貸収入の合計)は期初予想の1210億円から1030億円へと180億円引き下げたが、1030億円の達成も難しいだろう。

 全面開業してからの1カ月間は1日当たり14万人が来店したが、4月以降は消費増税前の駆け込み需要の反動もあり、計画通りには進まなかった。14年3~5月期連結決算でも本店売上高は前年同期比37%増の273億円にとどまり、年間で41%増としてきた計画を割り込んだ。総菜などの食品や紳士服、家庭用品などの売り上げが計画に届いておらず、中でも前出・ソラハが苦戦している。

 百貨店は、全面開業1年目は目新しさもあり、よほど無謀な計画でなければ売り上げ目標を達成できるといわれているが、あべのハルカスは全面開業半年で早くも目標を下回るペースで推移しており、まさに大誤算となっている。

 大阪は繁華街に百貨店がひしめくオーバーストア状態といわれており、首位は阪急うめだ本店(売上高1922億円/14年3月期)、2位が高島屋大阪店(同1206億円/同2月期)。あべのハルカス近鉄本店(同916億円/同2月期)は3位だった。大増床で売上高1210億円の目標を掲げ、2位の高島屋大阪店と肩を並べるというもくろみが外れた。これから目新しさが薄れ集客力が落ちてくる中、いかにリピーターを確保するのか。年末年始商戦が正念場となる。

東京スカイツリー

 一方、「東の観光スポット」に目を転じてみると、東京の新名所、東京スカイツリーを運営する東武鉄道は外国人観光客を増やすことに力を入れている。開業3年目を迎え、来場者数は伸び悩んでいる。14年4~6月期の来場者数は前年同期比15万人減の141万人。商業施設や水族館などを含むスカイツリータウン全体では同200万人減の845万人だった。新規来場者が一巡したことが大きいとみられている。

 旅行サイトのトリップアドバイザーが調査した「行ってよかった日本の展望スポット2014」によると、スカイツリーは前年の2位から8位に順位を落とし、6位から3位に順位を上げた東京タワーと明暗を分けた。スカイツリーはリピーターの確保に苦戦している様子がうかがえる。

 運営する東武鉄道は、手をこまねいているわけではない。昨年、スカイツリーを訪れる外国人観光客の国別調査を行い、外国人客は6.8%だった。内訳は台湾が19%で最も多く、台北市の超高層ビル、台北101(508メートル)とスカイツリー(634メートル)の両方に登ると記念品をもらえるようにするなど、台湾での営業活動に力を入れ始めた。今後は、20年の東京五輪をにらみ、台湾、香港などアジア圏からの観光客の取り込みに力を入れる。

 東西の目玉観光施設は、早くも明暗が鮮明になりつつある。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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