また、家族でデータ通信量をシェアできる「シェアプラン」については、固定費用が抑えられるメリット以上に、契約するデータ通信量をマネジメントすることに苦労しているようだ。
家族4人でドコモを契約し、毎月10GBのデータ通信量をシェアしているという都内在住のCさん(男性・51歳)は、「シェアプランを導入して3カ月ほどになるが、使いにくいと感じています。子どもがゲームをしたり妻が映画を観たりすると、あっという間にデータ通信量を使い切ってしまうのです。月末が近づくと結局データ量を数回追加購入しなければならず、トータルでみると(新料金プランにして)コストダウンになったのかよくわからないです」とコメント。一方、神奈川県在住のDさん(男性・49歳)も状況は同じようで、「家族会議を開いて子どもたちに『スマートフォンで遊ぶ時間を減らして』とお願いするのですが、ほとんど減りません」と頭を抱えている様子だった。
こうした具合に、通話定額については通話をする機会が多い人には歓迎されている一方で、通話が少ない人にとってはコストアップになり、シェアプランについても家族の間で使用量のバランスが取れず結局追加でデータ通信量を購入しなければならないなど、新料金プランに対する不満は少なくないことがわかった。
他社に目を向けると、ソフトバンクはドコモと同様に親回線が契約したデータ通信量を家族でシェアできるプランを提供しているが、KDDIは家族であってもデータ定額プランを2~13Gバイトの範囲で個別に契約して、あとから余った通信量を0.5Gバイト単位で家族に分けることができる「データギフト」を12月に導入する。他社とは異なるKDDIの戦略がユーザーからどのように評価されるのか。またドコモはこうした契約者の新料金プランに対する不満にどう対応していくのか。今後の動向に注目したいところだ。
(文=編集部)