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駐在員は高ストレス状態に常に置かれており、企業は適切な対応をするべきなのだが、そこまで手が回っていないのが現状だ。複数の駐在員がいる大企業はまだしも、1~2人で派遣されている中小企業では、責任も重くのしかかる。渡部教授は指摘する。
「駐在員の責任範囲が広い中国では、気が抜けない日々を過ごすため、メンタル疾患になりやすくなる。本社が状況を理解していないのが一番の問題点」
日本の本社が現地駐在員のメンタルヘルス対策を考えているのは、限られた企業だけ。これでは、中国の学生たちにも魅力ある企業として映らなくなるのも当然だ。日系企業がヒューマンマネジメントをできずに魅力を低下させているのは、現地の実情を理解できない企業側の問題といえよう。
大消費地であり生産拠点である中国への企業進出は、ピークを過ぎた。今後は中小企業を中心にした進出が続くと見られている。派遣する駐在員の心のケアを忘れていれば、魅力ある企業にはなり得ない。中国の大学生が憧れる日系企業を蘇らせるためには、何が必要なのかを再考する時期にきている。
(文=海部隆太郎/ジャーナリスト)
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