スマホ型カード決済、なぜ急速に普及?無料&手軽に導入、集金の壁解消で売り上げ増も
どんな商売をするにせよ、絶対に必要な共通の要素があります。顧客とのコミュニケーション、商品やサービスを顧客に届ける仕組み、アフターサービスなども重要ですが、中でも最も重要な要素のひとつが決済です。商品やサービスを提供しても、対価をきちんと回収できなければビジネスは成立しません。
顧客からしっかりと対価を受け取る仕組みがなければ、継続して事業が拡大していきません。大企業であれば回収を専門にする部署がありますが、中小企業では営業担当者が顧客に請求書を送付したり、支払いが遅れれば催促したりしています。
私たちが普段使う決済手段は、銀行振込、郵便振替、代引き、コンビニ支払い、カード決済がほとんどです。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2013年3月末のクレジットカード発行枚数(社数345)は、3億2352万枚に上り、20歳以上の総人口1億480万人(13年3月時点)の人口を基準にして、成人人口比では1人当たり約3.1枚所有していることになります。実際には使用されていないカードもあるとは思いますが、約10年前からみると6000万枚ほど増加しています。筆者は、ネットショッピングやサーバーサービスの購入などネット上の決済にカードを頻繁に利用しています。外出先では、高額商品の購入や海外渡航の際によく使います。
最近では、個人経営の小さな店舗や安価な商品やサービスを扱う店舗でもカード決済を受け付けていることがありますが、レジのカードを通す機械ではなく、スマートフォン(スマホ)に付属したカードリーダーを通して支払いをする光景を、よく目にするようになりました。
●無審査で手軽に導入
現在、こうしたスマホカード決済の仕組みを提供している主なサービスにはSquare、コイニー、楽天スマートペイ、PayPal Hereがあります。これらはどれもスマホにカードリーダーを差し込み、専用アプリを立ち上げるだけなので、非常に簡単に導入できます。また、このカードリーダーも最初の1台目は無料で手に入ることがほとんどで、専用アプリも無料で提供されます。あとは、決済ごとに店側への手数料が3%程度かかります。一般のクレジットカードのような審査はないので、個人事業主でも比較的簡単に導入できます。
例えば、ものづくりの特技を生かして週末イベントに出店するような際には、このスマホカード決済は便利かもしれません。モバイル回線を通じてスマホとカードリーダーさえあればカード決済でも販売でき、モバイルのPOSレジとして、どれだけ売れているのかという統計情報も簡単に手に入ります。経理事務的にも、会計システムと連動したり、レシートもデジタルで発行されたりと作業効率向上にもつながります。