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大手キャリアやMVNOは、ネットワークは基本的に自社が持つ、あるいは自社がレンタルしているものを使用するため、サービスの幅はおのずと限られてくる。だがイオンモバイルの場合、自社でネットワークを持つわけではないことから、商品のコンセプトに適したネットワークをその都度選んで提供できるのが、強みとなっている。
実際イオンモバイルのサービスを見ると、イオンスマホの第1弾には日本通信のSIMを用いたが、第2弾以降は通信速度を重視してビッグローブのものを採用。また今回発表されたタブレットやモバイルWi-Fiルーター向けのネットワークは、インターネットイニシアティブ(IIJ)のデータ通信用SIMを採用している。端末のコンセプトや使われ方に応じて、適した通信速度・容量のネットワークを選んでいることがわかる。
当然ながら、ネットワークを提供する事業者が異なればサポートの窓口も異なるため、単純に販売するだけではユーザーの混乱にもつながりかねない。だがイオンの場合、全国のイオン店舗で購入や契約だけでなく、サポートを受け付ける体制を整えている。イオン側が事業者の違いを吸収してサポートすることで、問題をクリアしているのだ。
イオンはすでに全国各地にリアル店舗を持ち、高いブランド力も持っている。それだけに、強い販売力と流通ならではの商品開発力で、端末メーカーやMVNOらを束ねる存在となっていけば、格安スマホだけでなく携帯電話市場で大きな存在感を示す勢力となる可能性も大いに考えられる。さらなる市場拡大に向け、次の一手が注目されるところだ。
(文=佐野正弘/ITライター)
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