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スマホの普及という追い風を受け、ネット通販の市場規模は10兆円になるほどの高い成長を続けている。しかし、ネット通販業界の中でセブンネットショッピングの存在感は薄い。アマゾン・ジャパン、楽天の2強の前で大苦戦し、5期連続の赤字経営が続いた。11年春、康弘氏はメディアの取材に対し「(楽天などの)専業に比べれば、サービスや技術面で10年は遅れている」と認めたほどだ。
そこでセブン&アイHDはグループ各社がバラバラに行っていたネットショッピングサイトをセブンネットショッピングに集約し、グループのネット通販の柱に据えた。14年3月には、経営不振のセブンネットショッピングをセブン&アイ・ネットメディアが吸収合併し、その社長に康弘氏を据えた。康弘氏はセブンネットショッピングの経営不振の責任を問われることはなかったどころか、孫会社の社長から子会社の社長に格上げされ、さらにはセブン&アイHDのCIOに抜擢されたのである。
「敏文氏は82歳。オムニチャネルで康弘氏に結果を出させて、持ち株会社の取締役に引き上げ、いずれ自分の後継者にしたいと考えているのでしょう。しかし、康弘氏の手腕について社内の評価は高くはない。ネット事業は別の適任者を充てたほうがうまくいのではないかと見られています」(外資系証券会社の流通担当アナリスト)
「康弘氏の大抜擢には、社内外でも異論が多い」(流通業界関係者)とのことだが、今回の人事は、「流通の神様」といわれる敏文氏にとって“最後の大きな誤算”となってしまうのか。業界内の注目が集まっている。
(文=編集部)
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