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その結果、最大で3兆円近くまで膨らんだダイエーの連結有利子負債は07年5月末には6031億円まで縮小し、減増資のスキームで経営破たんの淵から救われて再建ができそうに見えた。産業再生機構の再建支援を離れて、丸紅とイオンがスポンサーについた。
しかし、リーマンショック後の消費低迷もあって最後は3期連続営業赤字、7期連続最終赤字と業績はボロボロで、結局、立ち直ることはできず、13年にイオンが子会社化してイオングループに入り、続いてイオンが完全子会社化して14年12月26日をもって上場廃止となった。ダイエーの法人格はまだ残されているが、戦後の流通革命の旗手だったダイエーのブランドは18年をメドに完全消滅する運命になっている。
結果論はともかく、一時的にせよダイエーは経営破たんを免れて再建の道が見えたのだから、この減増資スキームの是非や効果については意見が分かれるかもしれない。また、小売業と電機メーカーを同じ土俵に乗せて論じるのは無理があるのかもしれない。しかし、今回のシャープの一件については、どうしても10年前に似たような減増資を行い、結局うまくいかず消えてしまう「ダイエーの末路」が見え隠れする。同じ道を歩んでしまうのか、それともうまく立ち直れるのか。
5月14日にシャープは15年3月期連結決算と併せて中期経営計画も発表する。それを前にして財務の減増資の話題ばかり盛り上がっているが、自力で立ち直るのに一番いいのは、本業の業績を一刻も早く回復させ、利益を出せる体質に変えること。それを助ける環境を整備する手段として、減増資のスキームを有効に使ってほしいところだ。
(文=寺尾淳/ジャーナリスト)
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