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中国への対抗に「不十分」=日本、民間投資の支援拡大を―元IMF理事インタビュー

記事提供元=時事通信社
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ダウダ・センベネ 元国際通貨基金(IMF)理事

【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)でアフリカ23カ国を代表していたダウダ・センベネ元理事は30日までに時事通信のインタビューに応じた。米国主導でアフリカ西部アンゴラの大西洋岸と内陸国ザンビアを結ぶ鉄道計画について、中国の投資実績に対抗するには不十分で、先進7カ国(G7)は持続的な投資が必要だと強調。日本に対しては、アフリカへの民間投資を促進する公的支援の拡大を求めた。

 米国は欧州連合(EU)と共に、アンゴラの港湾都市ロビトとザンビアの銅産地を結ぶ鉄道などのインフラ整備を行う「ロビト回廊」計画を支援する。センベネ氏は「鉄道は経済に変革を起こす」と歓迎した。

 G7はロビト回廊を含め、インフラ支援を通じて中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する狙いだ。ただセンベネ氏は「中国はアフリカで多くの鉄道を建設している。G7が信頼を得るには、もっと投資を行う必要がある」と話した。

 一方で中国は近年、アフリカへの融資額を減らしている。また、過剰債務問題や国際的な金利上昇が足かせとなり、アフリカ諸国の資金調達は厳しさを増している。センベネ氏は「債務危機悪化を回避するため、すぐに(債務減免などの)対処が求められる」と警告した。

 経済的苦境が深まる中で、気候変動対策など資金需要はさらに増加。センベネ氏は世界銀行など国際開発金融機関(MDBs)が提供する長期の低利資金を、民間企業によるアフリカ投資の「呼び水」にするような「効果的な活用」を訴えた。

 その上でセンベネ氏は「日本は、民間企業のアフリカ進出をもっと後押しする必要がある」と強調。国際協力銀行(JBIC)による他のMDBsとの協調や保証などを通じた一層の民間支援を要請した。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/12/30-16:03)

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