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終値で史上初めて4万円を超えた日経平均株価について、証券業界では「決して割高な水準ではない」(三井住友DSアセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト)とし、「通過点」との見方が少なくない。ただ、人工知能(AI)社会の到来で需要拡大が見込まれ、相場をけん引している半導体関連株には高値警戒感が漂う。
年初からの日経平均の上昇率は20%。米国市場でエヌビディアなどの半導体株が上昇する中で、東京市場でも東京エレクトロンが56%、アドバンテストが54%など関連銘柄が大きく上昇。指数全体を押し上げた形だ。
数値が高いほど割高であることを示す株価収益率(PER)は、日経平均が23倍程度。60倍を超えていた1980年代末と比べ、「バブルの頃のような過熱感は感じていない」(大手証券)とする関係者は多い。
ただ、半導体やAI関連ではPERが50倍を超える銘柄もあり、「ちょっと高すぎる感じはする」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)と警戒感も漂う。米国の利下げが遠のけば好調な米国市場が崩れ、日本株も調整局面を迎えるリスクがある。
また、採用銘柄が2000銘柄を超え、市場全体の動きを示す東証株価指数(TOPIX)の年初からの上昇率は14%。海外投資家の買いが日経平均の主力株に集中している面もあり、バブル期の高値をまだ超えていない。
日経平均も4万円台では上値が重く、さらなる上昇には半導体だけでは力不足との見方もある。「実質賃金がプラスになれば内需業種にも買いが波及する」(SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジスト)とされ、賃上げを受けた消費の拡大が今後の株高持続の鍵となりそうだ。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/03/04-17:10)
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