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長期金利の上昇基調が鮮明になっている。指標となる新発10年物国債(第374回債)の流通利回りは30日に一時、1.100%に上昇(債券価格は下落)。債券取引を仲介する日本相互証券によると、2011年12月以来、約12年半ぶりの高水準を付けた。欧米の金利上昇に加え、日銀が6月の金融政策決定会合で国債買い入れの減額など政策修正に踏み切るとの見方から、国債を売る動きが活発化している。
「国債買い入れは段階的に減額していくことが望ましい」。日銀の安達誠司審議委員は29日の講演で、3月のマイナス金利政策の解除後も月間6兆円規模を維持してきた国債購入の本格的な縮小を今後検討する考えを示唆した。さらに、急速な円安で物価が上振れすれば「金融政策での対応も選択肢だ」と語り、早期の利上げも排除しない立場を強調した。
債券市場では、日銀が今月13日の公開市場操作(オペレーション)で、唐突に国債買い入れを小幅減額したことをきっかけに、投資を控える動きが台頭した。金融政策運営に対する疑心暗鬼が広がり、「日銀が先行きの購入スタンスを明確にするまで不安定な相場状況が続きかねない」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト)との見方は多い。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「日銀は6月会合で国債買い入れに関する議論を継続し、先行きの縮小方針を示す可能性が高い」と指摘している。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/30-16:44)
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