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仁鶴師匠、さんま、ダウンタウン、ナイナイに聞く「生まれ変わっても芸人やりますか?」

構成=中野龍/フリーランスライター
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 それでも、劇場で笑いをいただくと、ベテランでも若手でもそういうのがすべて帳消しになる喜びがあるんですよ。西川きよし師匠は、芸人のありがたさ、良さをものすごく噛みしめながら2時間以上も語ってくれましたし、文枝師匠も「長年、毎日のように舞台をやっているからこそ気づくことがある。なんで早く気づかなかったかと思うけど、今日気づくようにできていたんや」と半ば悟りのようなことを言っていました。

「芸人はやらん」という人も

――インタビューでは、最後に必ず「生まれ変わっても、あなたは芸人やりますか」と聞かれています。

木村 皆さんには、テレビの収録とは違う感じで、オンでもなく、オフでもなく、フラットな感じで話をしてもらえました。普通のインタビューだと大きなエピソードが欲しくなりますけど、僕は同じ芸人として、「さりげない一言がうれしかった」というのも、すごく共感できる。その思いは僕を通じて皆さんに伝わると、ベテランだけでなく若手からも信頼を得られたのだと思います。

 そのくらいのことが伝わればいいなと思っていたのですが、インタビューを始めて2組目くらいから、最後に「生まれ変わっても、あなたは芸人やりますか」と聞き始めたら、それはさまざまな答えが返ってくることに気づいたんですよ。「やる」と全員が答えると思ったら、そうじゃない。半分とまでは言わないけど、まさかこの人が「やる」とは言わないんだと驚くことが結構ありましたね。「また芸人をやりたいけど、別の相方と苦労してみたい」とか、はっきりと「芸人はやらん」という人まで。それでも、なるほどと思わせるちゃんとした理由がある。なかには、借金まみれだったのに、また同じ人生がやりたいというおもろい人もいました。

 最初は芸人という生き物を知ってほしいだけだったのですが、だんだん一般の人にも当てはまることなんじゃないかなと。仕事で腹が立つこともあるだろうけど、成功したときは喜びもあるはず。家族があって、友達がいて、その環境で人格がつくられてきたところもある。もう一度、自分という人生をやるとなったらどうするか、置き換えて考えられる時間にしてほしいです。大人だけでなく、中高生にもぜひ見てもらいたい。テレビに出ている人ばかりなので面白いと思うし、きっと自分の周りの人にも興味が出てくるのではないでしょうか。

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