ぱみゅぱみゅイッキ飲みPV騒動、芸人に忍び寄る自主規制が殺すものとは?
日々忙しいビジネスマン&ウーマンに代わり、世に溢れるメディアの中から、知れば“絶対に”人に話したくなる報道や記事を紹介。日常でなんとなく耳にするあのニュース・情報の裏側や、テレビなどでは報じられないタブーに迫ります。
【今回ピックアップする記事】
『きゃりーぱみゅぱみゅさん、新曲PVで一気飲み?』(1月30日付朝日新聞)
1月29日夜、私は東京港区芝公園の増上寺におりました。別に、徳川家康ゆかりのお寺を訪問していたわけではなく、この日開催された、KDDI(au)主催イベント「FULL CONTROL TOKYO」の抽選にたまたま当選して参加していたのです。
この日は、タレント・きゃりーぱみゅぱみゅの20歳の誕生日ということもあり、1500人ほどの招待客で会場はごった返していました。加えて、ユーザー参加型イベントということもあり、KDDIが提供するスマホ向け体感アプリ「ODOROKI」を事前にダウンロードしておくと、アプリと連動したインタラクティブな体験ができる仕掛けとなっており、会場のボルテージは上がりっぱなしでした。
「インタラクティブな体験って何?」と思われる方もいると思いますが、auのCMでDaft Punk(ダフト・パンク)の『One More Time(ワン・モア・タイム)』が使われてるCMを見たことがないですか?「スマホで街をコントロール」するというコンセプトで、スマホを使って、イルミネーションの色を変えたり、噴水の高さを変えたりするアレです。今回もスマホを使って、東京タワーのライトを赤や青、黄と色鮮やかにコントロールしました。肝心のきゃりーちゃんですが、手裏剣の付いた忍者風のピンクの衣装で登場し、“きゃりーワールド”全開で全7曲のスペシャルライブを披露してくれました。
ちなみに、このイベントの映像は、次回のauのCMで使用されるらしく、イベント終盤では、CMディレクターが登場し、招待客もCM撮影に参加するといった場面も。CMに使用される楽曲は、現時点では未発表の『ニンジャリバンバン』という忍者をモチーフにしたもので、この日のきゃりーちゃんの衣装は、この楽曲のための衣装だったというわけです。当日は、スマホと携帯での写真・動画撮影が許可されていたので、おそらく、この楽曲もネットにアップされているのではないかと思います。興味のある方は検索してみてください。
●PVがイッキ飲みを助長?
さて、ここからが本題なのですが、イベント翌日(1月30日)に発売された、きゃりーちゃんが20歳になって初の新曲『ふりそでーしょん』のPVに、何やらイチャモンがつけられてます。朝日新聞などによると、「昨年の紅白歌合戦にも出場した歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんの新曲『ふりそでーしょん』のプロモーションビデオ(PV)で、アルコールを一気飲みしているような場面があるとして、飲酒による事故などで子どもを失った遺族らでつくる「イッキ飲み防止連絡協議会」が、発売元のワーナーミュージック・ジャパンに削除を求める要請をしたことがわかった」とのこと。
ワーナーミュージックの公式サイトにアップされてるPVを見ると、確かにボトルからラッパ飲みをするシーンやグラスを逆さにしてワイン(?)を飲み干しているようなシーンなどがあり、酔っぱらっているような演出がされてます。「20歳になってお酒も飲めて楽しぃ〜!」という世界観を表現してるわけですから、わかりやすくお酒飲んでるような演出もするでしょう。
ですが、これがなぜ「一気飲み助長」につながるのでしょうか? これを受けて、ワーナーミュージックは、ビデオの解説欄などに「イッキ飲みは絶対にやめましょう。お酒は20歳を過ぎてから」などとメッセージを入れ、ビデオについては、「一気飲みを助長する意図はないが、そのような懸念を抱かせてしまう要素があるならば、ご指摘を真摯に受け止める」とコメントしてます。こうやって、エンターテインメントが楽しくなくなっていくのだなと思います。
●お笑いにも忍び寄る自主規制の波
ちなみに、以前、こんな話をお笑い芸人さんから聞いたことがあります。ある芸人が、ネタ番組のリハーサルで、番組ディレクターにショートコントの持ちネタを披露していた時の話、設定が車の中だったのですが、芸人が車に乗り込んで車を発進させようとした際、ディレクターが、「ちょっと待って、シートベルトしてないでしょ!」と指摘。芸人は、「いや、コントですから、そこって重要ですか?」と答えると、ディレクターは、「スポンサーに自動車メーカーいるから、厳しいのよ……」とのこと。