フジテレビから断末魔の叫びが聞こえてきそうだ。
豪華キャストをそろえ、1話あたりの制作費が約1億円ともいわれるほど、フジが全精力を注ぎ込んだ嵐・相葉雅紀主演の “月9”ドラマ『貴族探偵』が、ひっそりと放送を終えた。
26日に迎えた最終回(第11話)は、放送時間の15分拡大という特別扱いを受けたが、そんな局側の配慮も虚しく、視聴率は9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)どまり。それでも第10話の8.0%に比べれば随分健闘したほうで、全11回の放送の中では初回の11.8%に次ぐ視聴率となったが、結局2ケタに乗せたのはこの1回のみ。
全話通しての平均視聴率は8.6%に止まり、相葉主演ドラマとしてはなんともさびしい数字。同枠としては、昨年7月期の桐谷美玲主演『好きな人がいること』の8.9%をも下回る惨状で、“月9”ドラマは6クール連続で平均視聴率1ケタ台に終わった。
最終回が放送された26日は、“月9”の強力なライバルとして立ちはだかっていた日本テレビの『しゃべくり007』が特別編成のため休止となり、フジに追い風が吹いたと思われた。ところが、代わりに急きょ2時間の特番としてオンエアされた『小林麻央さん追悼番組~優しく強く生きた34年~』が15.4%もの高視聴率を獲得。これは普段の『しゃべくり』よりもやや高い数字で、追い風どころか逆風を迎える形となった『貴族探偵』。
さらに当日はNHK総合の『ニュースウオッチ9』までもが、よもやの14.2%をマーク。通常、平日の同番組は良くても10%をわずかに超える程度なのだがこの日は急上昇。これは、史上最多の連勝記録・28連勝に並んでいた中学三年生の最年少プロ棋士・藤井聡太四段が、第30期竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段との対局があったことが影響したようだ。
番組途中の同日午後9時24分に終局、藤井四段が熱戦を制し、新記録となる29連勝を達成し、その様子が同番組内で報じられた。新記録なるかと、勝負の行方に注目していた視聴者が、同番組にクギ付けとなった模様。結果的に、この2番組が『貴族探偵』の視聴率上昇を阻んだかのように思えるが、実情は案外そうでもないという声も。