不祥事だらけのヒット作『ROOKIES』…高岡蒼甫、小出恵介、市原隼人らの悲しき行状
出演者、関係者に不幸な出来事や、不祥事などが立て続けに起こる映画やテレビドラマを「呪われた作品」などと呼ぶことがある。「呪われた」とはなんとも不謹慎な物⾔いだが、そうでも呼ばない限り、その作品に降りかかった「負の連鎖」を説明できないような、そうした作品というものが存在するのだ。このシリーズでは、そうした不幸、悲しみが連続した作品たちを取り上げてみたい。
原作が「週刊少年ジャンプ」に連載された映画のなかでは『鬼滅の刃』に次ぐヒット作の『ROOKIES』
「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて1998年から2003年まで連載された森田まさのりによる人気コミックを実写化し、佐藤隆太、市原隼人、小出恵介、城田優、中尾明慶 、高岡蒼甫、桐谷健太、佐藤健、五十嵐隼士らが出演した熱血ドラマ『ROOKIES』(TBS系)の放送がスタートしたのは、2008年4月19日のことだった。
二子玉川学園高校(通称:ニコガク)の野球部員役に、当時の若手イケメン俳優がズラリと揃った効果もあり、物語が進むにつれて視聴率はジワジワとアップ。同年7月26日放送の最終回では番組最高となる19.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した。また、GReeeeNが歌ったドラマの主題歌「キセキ」も大ヒットしている。
『ROOKIES』は多くの視聴者の支持を集め、同年10月にスペシャル版も放送。また、2009年にはドラマの続編に当たる映画『ROOKIES -卒業-』が公開された。この作品は、日本で同年公開されたすべての映画のなかで第1位の興行収入(85.5億円)を記録。これは、2021年2月現在でも歴代日本映画の興行収入ランキングのベスト20に入る好成績であり、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』以前は、原作が「週刊少年ジャンプ」に連載された映画のなかで、最大のヒット作だった。
そんな2000年代を代表するヒットシリーズであった『ROOKIES』だが、その後、出演者にネガティブな出来事が相次ぎ、作品のファンを哀しませているという現実がある。
市原隼人は交通事故3回、小出恵介は未成年淫行事件で謹慎処分に
ニコガク野球部のエースで4番の安仁屋恵壹を演じた市原隼人は、『ROOKIES』後に、実に3度の交通事故を起こしている。2007年に神奈川県内にて、2009年には都内の国道で、そして2019年にも都内でと、それぞれ運転中に衝突、もしくは追突事故を発生させたのだ。幸い、それぞれ人命にかかわるような事故ではなく、市原は俳優活動を今も続けているが、12年間に3度の事故は芸能界でもなかなか例がない。SNS上では「運転の適性がないのでは?」「免許を返納すべき」と指摘されるのもやむを得ないところだろう。
野球部の主将・御子柴徹を演じた小出恵介は、のちに表舞台から完全に消え去った。2017年6月に、写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)が、小出恵介が17歳の高校生との飲酒及び性的関係を持ったことを報道。当人がその記事内容を認めたことから、当時の所属事務所・アミューズは、小出の無期限活動休止を発表するに至る。また、撮影が終了していたドラマの放送中止、出演予定の映画、ドラマの降板、CM出演契約の途中解消といった事態となり、事務所側がその対応に追われると共に、甚大な金銭的マイナスを強いられたことが予想された。
その後、相手女性との示談が成立し、小出は不起訴処分となるものの、復帰はならず、2018年にアミューズとの契約が終了している。それから2年、2020年に、他事務所と契約し活動再開を発表した小出だが、主演予定のミュージカルがコロナ禍で公演延期になるなど、必ずしも順調とはいえない状況だ。
高岡蒼甫はTwitterでフジテレビ批判、宮崎あおいと離婚、さらに暴行事件、そしてコロナ禍に引退
捕手・若菜智哉役だった高岡蒼甫は、2011年7月にTwitter上で、当時のフジテレビによる韓国系コンテンツのプッシュに批判的なツイートをした後、所属事務所であるスターダストプロモーションを離れている。また、私生活では同年12月に妻である女優・宮﨑あおいと離婚を発表。その後も芸能活動を続けたが、高岡蒼佑→高岡奏輔と改名を繰り返すなど不安定な時期が続いた。
2016年1月、そんな高岡にとって決定的にネガティブな事件が起きている……いや、自ら起こしている。都内の路上で口論になった男性に対し殴る蹴るの暴行を働き、軽傷を負わせたとして傷害の疑いで逮捕されたのだ。この件は不起訴処分となり、高岡は俳優活動を続けたが、かつてのようなメジャーな作品への出演は減少。そして、2020年に自身のSNSで「気力の限界」と引退を発表した。
なお、事件やスキャンダルとは無関係だが、『ROOKIES』で湯舟哲郎役を演じ、2006年に『ウルトラマンメビウス』(TBS系)でも主役を務めた五十嵐隼士もすでに芸能界を離れている。
違法賭博で契約解除、さらに暴行事件の遠藤要、“ブラック人脈”で契約解除の山本裕典
2017年にいわゆる“闇カジノ”で違法賭博を行なっていたことが報じられ、所属事務所のエイベックス・ヴァンガードより謹慎処分扱いになったのは遠藤要だ。遠藤は『ROOKIES』で、敵役である不良グループのリーダー役で出演していた。
のちに活動再開が認められる遠藤だが、2018年3月には契約を解除されている。そして、その直後の同年4月にまた騒動を起こす。今度は、飲食店の従業員に因縁をつけた上で、殴って怪我をさせたのだ。以後、その俳優活動は休止状態といってよく、2020年にドラマ、映画とも新作への出演がひとつもなかった。
また、劇場版『ROOKIES』に登場した新キャラ・赤星奨志(原作にはもともと登場)を演じた山本裕典も、所属事務所エヴァーグリーン・エンタテイメントから契約を解除された過去がある。刑事事件を起こしたわけではないが、当時は女性とのスキャンダルが多いこと、副業として飲食店を経営しておりブラックな人脈との付き合いがあることなど、私生活が問題視されたという報道があった。
その後、他事務所で復帰した山本だが、さらに負の連鎖が続いた。まず、2020年8月から放送のドラマ『彼が僕に恋した理由』(TOKYO MX)への寺西優真とのダブル主演が発表されるが、山本が緊急事態宣言下にあってパチンコ店で遊んでいたことが発覚。これにより、主演待遇を辞退することになる。また、同年7月には出演していた舞台公演の劇場で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生し、山本も感染し入院する不運もあった。
このように、『ROOKIES』出演者のなかには、すでに俳優を辞めた人物、現役ながらスポンサーが嫌う要素を多分に持った俳優が複数いる。あのニコガク野球部メンバーが、再び公の場で一堂に会することは二度とないだろう。