Love-tune問題から考える「アイドルとカネ」問題 ぶっちゃけいくらもらってる?
どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。
NGT48の“暴行事件”がメディアを賑わせていますね。あの騒動の根幹にあるのは、ファンとの“接触商法”が前提となってしまったアイドル業界において、一部ファンの暴走からタレントをどう守るか、という問題ですよね。
それはそれで大変悩ましい問題ですか、今回取り上げたいのは、アイドルの「お金」の話。特に地下アイドルといわれるようなタレントさんが、自分の“薄給ぶり”をネタにするなんてことも珍しくなくなり、「事務所とどんな契約を結んでいたんだ?」なんて批判の声が上がることもよくありますよね。
先日、ジャニーズJr.内の人気グループ「Love-tune」が契約書問題で一斉退所したことについて少しお話しましたが、では実際のところ、アイドルたちはどんな感じで芸能事務所と契約を交わしているんでしょうか? 今日はアイドルの契約問題、そしてみんな気になるおカネまわりについて、踏み込んだ話ができたらと思います。
一番初めに、親も交えて契約を交わす
2018年は、ご当地アイドルグループ「愛の葉Girls」のメンバーが事務所社長よるパワハラが原因で自殺した事件をきっかけに、アイドルの契約問題や労働環境について注目が集まった年でした。今までももちろん知られてはいたけど、地下アイドルの子たちのひどい労働環境や、アイドル業界に蔓延しているいわゆる“やりがい搾取”的な状況がワイドショーなどでも多く取り上げられ、改めて広く知られるところとなりましたね。
もちろん、そんな劣悪な状況であるのは一部の話で、ある程度の規模の事務所ならそのあたりはもっとちゃんとしています。 地下アイドルとはいっても、人前でショー行為を行うからにはちゃんと責任を持って仕事をしてもらわないといけないし、もちろん事務所側も責任を持ってマネジメントしないといけない。趣味やサークル活動じゃないんですから。そのためにも最低限の契約は必要ですよ、当然ね。
アイドルの場合、未成年の少女である場合が多いけど、子ども相手でも親とちゃんと契約を結んでいるところがほとんどだと思います。一番初めに、契約書を作って、ちゃんと理解したうえで捺印してもらってるはず。そうしとかないと後々トラブルになりますからね。
ただ契約にもいろんなパターンがあって、「ギャランティを毎月○○円払います」というかたちの契約は、まだメジャーデビューしていない子の場合はあまりないんじゃないかな。少数精鋭の大手事務所で、何人かのタレントがすでにめちゃくちゃ稼いでいて、「○万人に1人の逸材だ!」と確信できる子をスカウトすることができて、その子を売るためにものすごーーーく力を注げるような状況だったら、デビューはまだ先だとしても、ほかの事務所に横取りされないように、養成契約とか育成契約みたいなかたちで「住むところも用意します、レッスン料もこちらで持ちます、月々いくら払います」というような契約をして拘束する場合もあります。まあよっぽどの逸材でないと、なかなかないと思いますけど(笑)。
先行投資という考え方もありますけど、普通の感覚でいくと、まだなんのビジネスにもなっていない子にお金を支払うというのは今どき少なくなりました。
逆に、レッスン料や宣材写真代などをアイドル予備軍の子というか、その親から取るところも多いですよね。「モーニング娘。」「アンジュルム(旧スマイレージ)」などの「ハロー!プロジェクト」への正式所属を目指す「ハロプロ研修生」の場合、基本は“レッスン料”というかたちで月謝を取っています。これは公式サイトにも明記してありますね。代わりに写真やグッズが売れたら枚数に応じてその分を支払っていると聞いたことがあります。これはわかりやすくて、効率がいいやり方ですね。