まず数字で見ても、夫婦別寝は“夫”より“妻”が希望するケースのほうが多い。
たとえば少し古いが、あるマーケティング会社による「寝室についてのアンケート調査」(07年 エムパック調べ)。これによると、
・「別(寝)を言い出した割合」:妻=25%、夫=9%
・「別(寝)へ移動した割合」 :妻=42%、夫=35%
で、どちらも“妻から”が、夫を上回った。
また、パラマウントベッドが行った「睡眠に関するアンケート調査」によると、パートナーと別の寝室で寝る「ひとり寝妻」は、年齢が上がるにつれて増える。
その割合は、
・20代=1割弱(9.4%)/30代=2割弱(16.8%)
・40代=2割強(23.2%)/50代=3割強(31.0%)
で、40代では4組に1組、50代で3組に1組にまで及ぶのが現状だ。
さらに、「同じ寝室でも、別々のベッド(布団)」となると、その割合はさらに多い。30代で3組に1組以上、40代では半数近くにまで達する。
もっとも、いまは「共働き夫婦」が主流だ。
それぞれの仕事や子どもの送り迎えなどで、夫婦が一緒に寝起きする“ラブラブ生活”を続けるのは、結構しんどいだろう。
先のマーケティング会社の調査でも、「夫婦別室(寝)」のきっかけは、2位が「いびきや寝返りなど、配偶者への不満」、1位が「生活リズム(時間帯)の違い」だ。
それに、日本の働く女性は、「世界一睡眠不足」らしい。
見て分かるとおり、日本の「有業女性」の睡眠時間は「1日あたり7時間33分」と、世界一短い。最大の理由は、たぶん他国に揶揄されるとおり、「日本の男性が、まだまだ妻の家事や育児を手伝っていないから」。
もっとも、日本の有業男性だって、妻より20分しか多く寝ていない(7時間52分)。たった20分で「あなたはたっぷり寝てるでしょ」と非難されるのも、夫として納得いかないだろう。
それぐらいなら、スペースさえ許せば「夫婦別床」、あるいは「夫婦別寝」にトライするのも悪くない。
さらに。実は「夫婦別寝」がもたらす大きなプラス効果が、3つもあるのだ。