シンプルでナチュラルなデザインに、無駄のない高機能――。「無印良品」と聞けば、そうしたイメージが浮かんでくるだろう。無印良品は実際、そのイメージ通りの高品質なラインナップを誇り、日本のみならず世界でも広く人気を博している。
無印良品の始まりは、さかのぼること1980年。まず西友のプライベートブランド(PB)商品として誕生したのち、1989年に現在の運営会社である良品計画が設立されたのだ。その後も飛躍を続け、今年2月の段階では、国内・国外の累計店舗数が975にまで拡大している。
そんな無印良品の商品は“「良品」の新たな価値と魅力を生活者の視点で探求し、提供していく。”という企業理念が表すように、消費者の生活に根ざした使い勝手のいいものばかりだが、残念ながらこの世は、すべてが完璧というわけではない。
今回は、いくら無印良品といえども買い控えたほうがいいだろうと「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が独自にジャッジした「この夏、買ってはいけないアイテム」を、5つ紹介していく。せっかくの買い物で失敗してしまわないよう、この記事を役立ててほしい。
掃除用品システム フローリングモップ/490円(税込、以下同)
家の中を雑巾がけすると、足腰が痛くなってしまうという人も多いだろう。そこで便利なのが、フローリング用のモップや、お掃除シートだ。しかし今回“買ってはいけない”としてピックアップする「フローリングモップ」は、「無印良品の数ある商品のなかでもワースト1かもしれない」というほどの悪評を買ってしまっている。
この商品は別売りのポールやモップ、お掃除シートなどと組み合わせて使うヘッドパーツなのだが、問題点は、お掃除シートの差し込み口部分が異常に固く、指を痛めかねないということ。さらに、底部カバーを外すとモップを装着できるマジックテープ部分が出てくるのだが、ここの密着度が弱く、床を拭いているとすぐに外れてしまうのだ。
歯ブラシスタンド・1本用/290円
洗面所周りの整理整頓をするとき、毎日使う歯ブラシの置き場所には、意外と悩みがちだ。そんなときに使えるのが無印良品の「歯ブラシスタンド」で、テレビに取り上げられたこともある人気商品なのだが、気になる点がある。
つるんとした可愛らしいフォルムと、磁器製のしっとりとした質感は「さすが無印良品」といったところで、決して悪い商品ではない。しかし、これがコスパのいい商品かといわれると、首をかしげてしまう。
というのも、同じような磁器製品の歯ブラシスタンドは、100円ショップにも数多く並んでいる。100円ショップの企業努力の賜物というべきか、そのつくりは無印良品のアイテムと比べても、さしたる遜色はないのだ。結局、わざわざ無印良品で買わなくてもいい商品だといえるだろう。
キッチンペーパーホルダー/490円
普段から料理をする人なら、キッチンペーパーの重要さは身に染みて知っていることだろう。ちょっとした野菜を切ったときに出る水分や包丁についた汁を、いちいち水で洗っていたら料理もままならないし、そこはキッチンペーパーに頼りたいものだ。
しかし、そんなキッチンペーパー最大の欠点は、巨大なロールをキッチンのどこに置くかということ。よく使われている縦置き式のポール型ホルダーとは違い、無印良品の「キッチンペーパーホルダー」は冷蔵庫などに磁石でくっつけ、左右に分かれたホルダーの間にキッチンペーパーを挟むタイプなので、一見すると使い勝手はよさそうだ。
しかし実際には、料理しながら片手でキッチンペーパーを取ろうとしてもうまくいかず、下手をするとロールごとホルダーから外れてしまうのだ。もう少し磁石が強力なら文句ナシだったので、非常に惜しい商品だといわざるを得ない。
アルミフック・吸盤タイプ 大/250円
汚れがちなキッチン周りの整理整頓は、家の清潔を保つうえで大切だ。しかし、あれもこれもとキッチングッズを買い揃えているうち、何をどこにどうやって置いたらいいか、困ってしまっている人も少なくないだろう。
そんなときは、無駄なスペースを有効活用する収納グッズの出番だが、無印良品の「アルミフック・吸盤タイプ」は、そうもいかないらしい。なぜなら、「耐荷重0.5kg」と謳われているにもかかわらず、「50グラムのピーラーを掛けていただけで落ちてしまった」といった報告が上がっているのだ。類似品を100円ショップで探したほうが、まだマシという可能性もある。
ローションシート(全体用)/100円
夏の日差しにやられ、肌が荒れてしまったときに重宝するのが保湿ローションやパックだが、無印良品の「ローションシート」は賛否両論を呼んでいる。
この商品は、まるでラムネのように圧縮されたシートに化粧水を染み込ませてふやかし、それを顔にパックできるというものなのだが、かなりの量の化粧水を使わないとふやけてくれないというのだ。
また、これは使った人によってまちまちな感想ではあるものの、「肌触りもゴワゴワで、あまり心地良くない」という意見もある。5個入って100円という、お買い得にみえる商品ではあるが、“安物買いの銭失い”になってしまう恐れもあるだろう。
無印良品の商品は、そのほとんどが安心して使え、高機能なものばかり。値段もお手頃で、親しみやすいブランドだ。しかし、今回紹介してきたような残念な商品も、確かに存在している。無印良品の本当の“良品”はどれなのか、逆にどれを避けるべきなのかを検討するときは、ぜひこの記事を参考にしてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)