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森由香子「間違いだらけの食」

のど飴は危険?無意味な製品や、なめすぎで症状悪化、カロリ過剰摂取で糖尿病も

文=森由香子/管理栄養士
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のど飴は危険?無意味な製品や、なめすぎで症状悪化、カロリ過剰摂取で糖尿病もの画像1「Thinkstock」より

 昼食前や夕方の小腹が空いた時、電車やバスを待っている時など、飴をなめる方も多いとおもいます。なかには、いつもカバンに携帯している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 最近では、シュガーレスタイプの製品もあり、虫歯予防やダイエット中の方でも安心して利用できるものも多数みられます。また「のどが痛い! 風邪をひいたかなぁ」と感じたときは、のど飴を利用すれば口の中で唾液とすっとなじんで、のどに直接触れれば痛みがすぐに和らぎます。

 のど飴は、コンビニエンスストアやドラッグストア、キオスクなど、どこでも購入できるため、のどに不調があるときにすぐ手に入るのでとても便利です。

 ところで、のど飴には食品、指定医薬部外品、医薬品と種類があるのをご存じでしたでしょうか。これらの選択を間違えると、場合によっては期待するほど効果が得られません。

 残念ながら、食品ののど飴には、医学的に証明された成分が含まれていないことのほうが多いようです。

間違ったなめ方

 また、すべてののど飴に共通することは、なめ方を間違えるとかえって症状を悪化させることがあるという点です。

 のど飴を利用するとき、続けて何個も、あるいはいっぺんに何個もなめたりしてないでしょうか。実はのどに不調があるとき、指定医薬部外品、医薬品ののど飴を短時間にたくさんなめると、かえって症状を長引かせるおそれがあるのです。

 指定医薬部外品、医薬品ののど飴は、説明書に1回の服用後、2時間以上間隔を空けて服用と記載されています。なめすぎると含まれる成分が、のどや舌の粘膜に過剰に触れることで傷つけることがあります。

 また、食品、指定医薬部外品、医薬品のすべてののど飴に共通していえることは、短時間にたくさんなめると唾液の不足が起こることです。のどの粘膜には、繊毛機能とよばれる保護機能作用があり、これを唾液が維持・保護しています。

 繊毛機能は、体内に細菌やウイルスが侵入すると、体外に出してしまう働きを持っています。また、唾液中に含まれる酵素が、口の中に侵入したウイルスの増加や粘膜への付着を防いでいます。のど飴のなめすぎにより唾液の不足が起きれば、口の中が乾燥し、これらの機能がうまく働かなくなります。

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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