加工肉や赤身肉の食べすぎには、いくつかのリスクが指摘されていますが、そのひとつは心臓病です。「加工肉や赤身肉を多く食べる人は、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患になりやすい」とする研究結果が、アメリカの循環器病専門誌「Circulation」で報告されています。
(※http://circ.ahajournals.org/content/132/9/804.long)
この研究では、45歳以上の約1万7000人のアメリカ人を対象に、食事パターンと冠動脈疾患の関係性を調査しています。対象者を、食事パターン別に「ケータリング食中心グループ」「野菜中心グループ」「スイーツ中心グループ」「アルコール・サラダ中心グループ」「加工肉・揚げ物・甘味飲料中心グループ」の5つに分けて、それぞれの冠動脈疾患の発症率を比較しました。
その結果、加工肉・揚げ物・甘味飲料中心グループは、冠動脈疾患の発症率がほかのグループの約1.5倍になることが明らかになりました。驚くべきことに、スイーツ中心やアルコール・サラダ中心のグループより、このグループのほうが冠動脈疾患になりやすいとされています。
なぜ、同グループに冠動脈疾患が多いのでしょうか。この結果を発表した研究者は、「いくつかのメカニズムがある」とした上で、原因のひとつに「加工肉の摂取量の多さ」を挙げています。
病気予防に効果的な善玉菌はどうすれば増える?
一方、冠動脈疾患の発症率がもっとも少ないとされたのは、野菜中心グループです。野菜を多く食べることで、さまざまな病気を防止できるという研究結果もあります。では、なぜ野菜は健康に良いのでしょうか?
さまざまな理由が考えられていますが、そのひとつは腸内細菌にあるようです。腸内細菌とは、その名の通り、私たちの腸に存在する細菌で、その数は約100兆個、重さは1キロ以上にもなるといわれています。種類も300ほどあり、その中には、いわゆる善玉菌や悪玉菌が含まれています。
悪玉菌より善玉菌が多いほうが健康に良いのですが、その割合には個人差があります。そして、「野菜を多く食べる人ほど、善玉菌が多い」という研究結果も報告されています。