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消化器内科専門誌「Gut」に発表された、イタリアのフェデリコ2世ナポリ大学のチームによる研究では、食事における野菜・果物の割合と腸内細菌の関係について、明らかにされています。
(※http://gut.bmj.com/content/early/2015/09/03/gutjnl-2015-309957.abstract)
153人のイタリア人を対象に、野菜・果物の摂取割合別に3グループに分けて調べたところ、腸内細菌の種類はすべてのグループで同じでしたが、その構成比はグループによって異なっていました。
野菜や果物をもっとも多く摂っていたグループは善玉菌が多く、体内で短鎖脂肪酸が多くつくられていたのです。短鎖脂肪酸とは、腸内細菌によって大腸でつくられる酸の一種で、免疫力を高め、炎症を抑え、がんを予防するなど、健康に良い効果をもたらすことで知られています。
善玉菌は、食物繊維を分解、発酵することで、短鎖脂肪酸をつくり出します。つまり、野菜や果物を食べて食物繊維を多く摂ることが善玉菌を増やすことにつながり、それが短鎖脂肪酸の産生を促し、冠動脈疾患などのさまざまな病気予防に役立つと考えられるのです。
実際に、11月に開催された米国心臓協会学術集会では、善玉菌の代表格ともいえる乳酸菌を冠動脈疾患患者に投与すると、血管の健康維持に重要な役割を果たす血管内皮機能が改善することが発表されました。
(※http://circ.ahajournals.org/content/132/Suppl_3/A10898.short?rss=1)
みなさんも、日々の食事の中で野菜や果物を多めに摂ることを心がけてみては、いかがでしょうか。
(文=関口瑞季/医療・健康ライター)
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