突然襲う嘔吐と下痢、命にかかわる危険も…激増のウイルス性急性胃腸炎、どう対処?
冬になると毎年激増する嘔吐、下痢などの急性胃腸炎。夏場の食中毒が食べ物にあたることで発生することに対し、冬場の急性胃腸炎はウイルスが主な原因で起こります。
ウイルスにはたくさんの種類がありますが、なかでも毎年流行するのがノロウイルス。これは、冬にシーズンを迎える貝類のウイルスに感染することで発症します。一旦ウイルスの感染が広まると、貝を口にした人だけでなく、ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物などから爆発的に感染が広がっていきます。
また、1歳前後のお子さんがいる家庭で冬場によく発症するのがロタウイルス。これも症状としてはノロウイルスとほぼ同じです。見分け方としては、ノロウイルスの便が生臭いのに対して、ロタウイルスはややヨーグルトっぽい鼻につんとする匂いが特徴です。
風邪と混同されがちですが、咳や倦怠感、発熱を伴う風邪に比べて、ノロウイルスとロタウイルスはあるとき突然、多くの場合は深夜2時頃に嘔吐と下痢が始まります。最初の24時間はかなり辛い状態が続きますが、水分を摂取して休息をとることで、大体3~4日程度で回復します。
お腹の風邪に感染してしまったら
ノロウイルスやアデノウイルス、エンテロウイルスなどの病原体が体に入ると、そのウイルスを外に出そうとして、生体は嘔吐や下痢を引き起こします。このときに薬などで無理に止めてしまうと、かえって症状が悪化することもあります。上でも下でもとにかく体から出してしまうことが大切です。症状が出始めてから24時間はできるだけ自然にまかせて、薬などで無理に抑えないようにしましょう。
下痢や嘔吐が続くと、体から大量の水分が失われます。失った分を補う適切な水分が補給されないと、体内の調整機能が狂って脱水症などを引き起こします。特に老人や子供、体力の低下した人などが脱水症になると命にかかわりますので、十分に注意しましょう。 水分の補給は「温かいものを少しずつ飲む」のがポイント。コップ1杯を10分かけて飲むくらいのペースが理想的です。