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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

過酷な夏の病気や体調不良、熱い風呂&食事で劇的に解消できる!風邪、だるさ、下痢…

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
過酷な夏の病気や体調不良、熱い風呂&食事で劇的に解消できる!風邪、だるさ、下痢…の画像1「Thinkstock」より

 夏は暑いがゆえに、人間の体には、基礎代謝を落として熱産出をなるべく少なくするようなメカニズムがある。それでも暑いので、冷や奴、ビール、冷や麦、冷やしソーメン、ところてん、カキ氷、アイスクリーム、スイカ、キュウリ、トマトなど、体を冷やす食物をたくさん摂って暑さをしのぐ、という生活の知恵を身につけてきた。

 しかし、このくらいのことでは暑さをしのげないので、大量の発汗をし、その汗が蒸発するときに必要な「気化熱」を体から奪って、体を冷やしていた。

 約40年前から日本に普及してきた冷房は、今や各家庭、オフィス、学校、バスや電車など至るところに設置され、真夏の我々の体を冷やしてくれるのはよいが、その結果、冷え(低体温)を招き、また発汗を妨げることで起こる体内の水分貯留(むくみ)という副作用をもたらす結果になった。

 日常の診療で気づくことは、夏は冬より「冷え」による症状を訴えて来院される患者さんが多いことだ。

 この代表的な症状や病気は、

(1)夏風邪を引く。しかも、長引く傾向にある。
(2)お腹(胃腸)を冷やすことにより、胃腸の働きが低下し、食欲不振、下痢、便秘が起こる。
(3)冷えて血管が収縮して血行が悪くなることによって、肩こり、頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、血圧上昇が起こる。
(4)発汗が十分ではないため、体内に余分な水分がたまり、むくみや水太り(夏の体重増加)が起こる。
(5)体内に余分な水分がたまると、1日中雨の中にいるようなもので、「体がだるい、重い」「気分が冴えない」という症状も起こりやすい。
(6)夏(7~8月)に脳血栓が起こりやすい。原因は「冷房による体の冷やしすぎ」だと考えられる。

 脳血栓(梗塞)は、12~2月の冬と7~8月に発症しやすい。「7~8月は暑いので、汗をかくので血液中の水分が不足して血液がドロドロになるから」というのが、現代医学の見解だ。

 しかし、冷房がなかった40年前までの日本人は、夏になると、今の人たちの10~20倍もの量の汗をかいていたものだが、脳梗塞、心筋梗塞など「血栓症」にかかる人はほとんどいなかった。

「水を冷やすと氷」「食物を冷凍庫に入れると硬くなる」ように、宇宙の物体は冷やすと硬くなる。一方、36.5℃前後とされる体温がある「温かい血管内」で、血液が固まり、血栓ができるのは、冷房により冷やされるからと考えたほうが、納得がいく。

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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