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安保徹「間違いやすい医学の常識」

早くボケる老人には共通点があった!老人こそ体を鍛えないと要介護や早く死ぬ危険増

文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士
早くボケる老人には共通点があった!老人こそ体を鍛えないと要介護や早く死ぬ危険増の画像1「Thinkstock」より

 本連載前回記事では、食べ物からエネルギーを取り出すのに、私たち真核生物は2つの異なる方法を用いていることを紹介しました。無酸素下でつくる解糖系エネルギーと、有酸素下でつくるミトコンドリア系エネルギーです。解糖系エネルギーの大切さをもう少し学びましょう。

 解糖系エネルギーはエネルギー効率が悪くてあまり重要ではないのではと考えられてきた傾向がありますが、大きくとらえると、2つの大切な仕事に特化して使われていて、私たちの生きる力を下支えしています。ひとつが細胞分裂のエネルギーに使われていること、もうひとつが瞬発力の筋肉を動かすのに使われているということです。このような私たち自身のからだの仕組みを知ることは、健康に生きるためには必須の知識でしょう。

 筋肉には白筋と赤筋がありますが、ミトコンドリアが少なく解糖系を中心に使って瞬発力を得ているのが白筋です。ミトコンドリアが使う呼吸酵素は鉄分子を含んでいるので、有酸素下で赤く見えます。これが赤筋です。

 一方、ミトコンドリアが少なく白く見えるのが白筋です。赤筋に属するのが、心筋、横隔膜の筋肉、骨格筋のうちの赤筋です。白筋は骨格筋のなかにあります。機敏な動作を行う時に使われています。ニワトリでいうと、胸の筋肉であり、飛び上がる時に利用しています。

 機敏な動作は子供時代では十分に働き、老人になると衰えてきます。私たちは、子供の解糖系優位で人生が始まって、大人の調和の時代を経て、老人になると解糖系が縮小してミトコンドリア系中心で生きるという法則があるからです。

子供や老人の健康法

 このようなことを知ると、子供や老人の健康法が見えてきます。

 子供の成長期はミトコンドリアが十分に働けない時期なので、元気に遊んですぐ疲れてしまうというのが基本です。よく中学生がバレーボールの練習を長時間やってからだを壊すのは、この法則に反した活動をしているからです。野球でもバレーボールでも、子供時代はほどほどで止めておかなければなりません。

 マラソンなどのような赤筋を働かせるスポーツは成長が止まった大人になってからやるスポーツです。こういう感覚を身につけておかないと、スポーツ選手を指導することはできません。

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座免疫学・医動物学分野)。米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経 支配のメカニズムを初めて解明。国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍
医学博士安保徹 公式サイト

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