100円ショップ業界でも最大勢力を誇っている「ダイソー」。多種多様な新商品が日夜生み出されているうえ、その商品品質も格安価格に見合わない高水準なものとなっており、人々の生活に欠かせない存在となりつつある印象だ。
こうした企業努力のおかげか、その店舗数も同業他社の間ではトップを維持しており、今年の2月末日時点で、直営・代理店含め4340店、海外では26の国と地域で2248店という数を記録している。
衰え知らぬダイソーは、今年の夏も、さまざまな便利アイテムを安価で展開している。しかし、なかにはうっかり購入すると後悔しそうな商品もちらほらと見受けられるのだ。今回も我々「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」はそうした商品を独自にリサーチ。「この夏、買ってはいけないダイソーの残念グッズ4選」を選出した。
壁紙用フック 4個/110円(税込、以下同)
夏の衣替えで壁紙を張り替え心機一転! なんて人もいるだろうが、そんな張り替えたばかりの壁紙に、この「壁紙用フック 4個」はオススメできない。
というのもこの商品、利点よりも欠点のほうが多いといわざるを得ない商品なのだ。一つ目の欠点は貼れる壁面が少ないことだ。ビニール製以外の壁紙では使用できず、タイル、布、繊維、ブロックなどは総じてNG。2つ目は、そんな貼り付け可能な壁面でさえ、剥がした後に接着剤のシミが壁面に残ってしまう危険性があるのだ。
そして3つ目は、実際のユーザーから“そもそも接着剤が硬化していて絞り出せない”などの声が挙がっている点だ。もちろんこの欠点は商品の経年劣化によるもので、すべての商品に該当するわけではないだろうが、端から見ただけではそうした劣化は見分けづらいのも事実。総評すると、無理に買う必要はないといえるだろう。
型くずれ防止 セーター干しネット/110円
今年の夏、サマーセーターでオシャレを楽しみたい人も多いことだろう。しかし洗濯の際に通常のハンガーでは型くずれしてしまうこともしばしば。そんな時に専用の物干しアイテムは重宝するものだが、ダイソーの「型くずれ防止 セーターネット」には要注意だろう。
物干し竿にフックを引っ掛け、6本の紐が伸びたネット部分でセーターを干すこのアイテム。干すこと自体に欠陥があるわけではないのだが、フック部分と紐が固定されていないので、バランスを取るのに毎回微調整を強いられるのだ。
おまけに、使い終わった時に折りたたんでコンパクトにできる機能が付いているのだが、この収納作業が難関。八の字にねじるように収納するのだが、強力な張力がネット部分に働いているので油断するとボン! と開いてしまうのだ。使用するにあたって、なにかとストレスが多いこの商品。本来の役割は全うしてくれるため、気にならない人にとっては気にならないのだろうが、念のため注意喚起をしておきたい。
歯ブラシホルダー(開閉収納式)/110円
毎日使う歯ブラシ。歯ブラシ立てを置き場とすると底にヌメリが溜まってしまうこともあるため、洗面所の吸盤式ホルダーに引っ掛けておくという人も多いことだろう。しかし、そのスタイルを継続している人も、これから吸盤ホルダーデビューする人も、この「歯ブラシホルダー(開閉収納式)」の購入は避けたほうが良いかもしれない。
この商品、キュートな水滴型の観音開きの蓋が付いており、使い終わった歯ブラシをぐいっと押し込むことで、自動で蓋が閉まる仕組みとなっている。しかし、正直この蒸し暑い季節の水回りでは、雑菌が繁殖しかねない……。歯ブラシは通気性の良い場所に置いておくのが衛生面では健全な選択ではないだろうか。
構造面でも問題点は多い。収納時は歯ブラシの背の部分で押し込めば済むが、取り出す際にはブラシ部分が蓋に押し付けられるので、ブラシの劣化が進んでしまう危険性があるのだ。しかも蓋の留め具部分の作りも荒っぽいので、劣化しやすそうに見えるのも不安を誘う。
USBミニスピーカー/330円
暑くなっても、いまだ外出自粛生活によるリモートワークや会議が続いている人も多いことだろう。PC内蔵のスピーカーは聞き取りづらい場合も多いので、外部スピーカーの購入を検討するケースも増えるはずだが、この「USBミニスピーカー」は避けるべきかもしれない。
実際のところ、機能面では大きな問題はないようで、PCのUSBケーブルとイヤホンジャックに接続して使う単純な使い方や、330円というコストパフォーマンス面を高く評価しているユーザーも少なくない。
しかし、低音域がほとんど出ていないとの声がネット上で散見されており、耳を近づけないと低音域が聞き取れない状態とのこと。また、“PC内蔵スピーカーのほうが音質が良い”といった意見も挙がっており、「安物買いの銭失い」になりかねない商品の危険性大だ。であれば、値段の安さに飛びつくことはせず、はじめから専門メーカーのスピーカーを購入した方が賢明だろう。
今や「安かろう・悪かろう」なイメージを払拭する、高品質・低価格な商品を次々打ち出し、世界的シェアを獲得しているダイソーだが、まだまだ、油断できないアイテムはある様子。今回の記事を参考に、失敗のない買い物ライフを楽しんでいただければ幸いである。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)