ダイソーといえば、100円ショップチェーンのなかでも最大手であり、“安かろう悪かろう”な業界イメージを払拭するかのような低価格かつ高品質な品揃えで、衰えぬ人気を誇っている。
その人気を証明するように、2019年度の企業売り上げは約4757億円を記録。同年3月時点で国内3367店舗、海外2175店舗と、その規模も圧倒的だ。1日の平均総来客数は、約230万人にまで達しているという。
そんなダイソーは、今年の春も新生活に向けた便利グッズをいくつも販売しているが、なかには「100円でも惜しい」と首を傾げてしまう商品も、ちらほら紛れている。そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、独自にリサーチを実施。「この春、買ってはいけないダイソーの残念商品」を5つ選び出したので、ショッピングの参考にしていただきたい。
ほいっぷるん/110円(税込、以下同)
冬から春に季節は移り変わっても、まだまだ大気が乾燥していることもある今日この頃。女性はもちろん、男性でも肌荒れには気をつけたいし、こまめな洗顔と保湿が必要になってくるだろう。
「ほいっぷるん」と名づけられたダイソーのこの商品は、石鹸や洗顔フォームを効率よくふわふわなホイップ状にしてくれるという触れ込みで、一見するとお役立ちアイテムなのだが、悪評も少なくない。
円筒形の容器と穴の空いたフタ、そして先端が円盤状になったスティックの3パーツで構成されている本品。石鹸や洗顔フォームは確かにふわふわになるのだが、フタの穴とスティックの太さに開きがあるので、押し込むときに少しでも並行に押さないと、円盤部分が容器の内壁に引っかかって、思わぬ破損につながりかねないのだ。SNSでも「壊れやすい」といった声が散見されているため、使用時には要注意である。
がっちりふとんばさみ/110円
新生活が始まる春、手間のかかる布団干しに思い切ってチャレンジしようと考えている人も多いことだろう。重たく、万が一飛ばされでもしたら大変な布団だが、最近は100円ショップでも、しっかりとしたつくりの布団ばさみがいくつも売られている。
ダイソーの「がっちりふとんばさみ」は、ガッチリと強力なバネが仕込んであるうえ、先端部分が可変式になっているため、さまざまな形状に対応可能。機能面では評判がよく、布団がずり落ちるといった声は聞こえてこないのだが……。
懸念点は、直射日光に当てているとポリプロピレンの本体が劣化し、バキッと真っ二つに折れてしまいかねないこと。布団を干したいのに、お日様の下に出すと壊れてしまうという深刻なジレンマを抱えた商品であることは、購入前に知っておいてほしい。
のびる靴ヒモ/110円
寒さも徐々に薄れてきたこの季節。暖かな日差しを浴びるため、お気に入りの靴を履いて、気分転換に散歩へ出かけてみるのもいいだろう。
昨今、多くの100円ショップブランドでは伸縮するタイプの靴ひもを取り扱っている。靴を履くときにほどよく履き口が広がり、スムーズな脱ぎ履きが可能になるという優れものなのだが、ダイソーの「のびる靴ヒモ」には、致命的な欠点があるといわざるを得ない。
なぜなら、商品名で“のびる”と謳われている割に、たった0.5cmほど伸びたところでひもがピンと張り詰めてしまうからだ。とにかく伸縮性に劣るので、靴ひもを買うのなら、他ブランドのものにしたほうが賢明である。
ワイヤレスマウス/330円
春は心機一転、見飽きた職場のデスク環境をガラッと変え、仕事に打ち込んでみるのも一興だろう。とりわけ、日常的に使うPC機器を一新してみると新鮮な気分になれそうだが、ダイソーの「ワイヤレスマウス」はおすすめできない。
このマウス、わずか330円という超低価格で手に入るのは確かに魅力なのだが、購入ユーザーからは「20回ほどしか使っていないのに壊れた」「1カ月前に入れたアルカリ電池があっという間になくなる」などの不満が相次いでいるのだ。いくら安くても電池の減りが早く、すぐに壊れてしまうようでは、まさに“安物買いの銭失い”といったところ。
また、実際に使用してみて気になったのが、光学式のマウスパッドを敷かないと、上手く反応してくれない点。マウス自体は低価格でも、それを取り巻くアイテムを買うのに、余計なお金がかかってしまうかもしれない。
ブルートゥースイヤホン(マグネット式)/550円
近年は、外出時に着用するイヤホンも進化してきており、特にワイヤレス式がかなりのシェアを占めるようになってきた。新生活に合わせ、ワイヤレスイヤホンデビューを検討している人もいそうだが、550円という安さに惹かれてダイソーの「ブルートゥースイヤホン(マグネット式)」を購入するのは考えものかもしれない。
この商品、その低コストぶりには目を見張るものがあっても、それ以上に欠点の多さが上回っている。まず、音質は値段相応なので致し方ないが、充電するのに1~2時間かかるのに、連続使用時間が2~3時間という短さなのは、いくらなんでも残念だろう。
それに、電池残量が減ったときの“バッテリーロウ”の通知が爆音なので、油断していると驚かされてしまうこと必至。せめて通知音量を調節できればいいのだが、それも不可能なのだ。ケーブル収納用のマグネットも貧弱だし、やはり値段は張っても、有名メーカーのワイヤレスイヤホンを選んだほうが、結果的な満足度ははるかに高いはずである。
――ダイソーは、100円から500円まで幅広いラインナップで、できうる限りの高コスパな商品を届けてくれている。だが、なかには今回紹介してきたように、どうしても今一歩な商品もあった。こうしたハズレ商品を避け、賢い買い物をするよう心がけてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)