黒船として日本に上陸した「H&M」や「FOREVER21」などを跳ね返す底力で、国内のファストファッション業界では敵なしの王者「ユニクロ」。
今年は、春夏向けのインナーとして高い人気を誇っている「エアリズム」シリーズを大きく進化させ、話題を集めている。「エアリズムマイクロメッシュ」「エアリズムコットン」「エアリズムコットンブレンド」を新たに投入して盤石の構えをみせている。
しかし、1月の国内ユニクロ事業は暖冬による冬物アイテムの苦戦が如実に表れており、既存店とEコマースの売上高は対前年同月比で7.9%減、既存店の客数は同5.1%減、客単価は2.9%減と、まったく死角がないわけでもないのである。
さて、そんなユニクロだが、アイテムはベーシックなデザインがメインで、ファッションに詳しくないビジネスパーソンでも着こなしやすいイメージがあるだろう。だが、実はユニクロのなかには着こなしが難しく、着る人によってはダサくなりがちな服も少なくない。
そこで今回は、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が「この春、買ってはいけないユニクロの服5選」をセレクト。そして、恋愛コラムニストで10年以上のファッションライター経験もある堺屋大地氏に、なぜおすすめできないかを解説してもらった。
今回、以下の3つを基準として選定した。
・ファッションビギナーが着るとダサくなる可能性が高いこと
・“最先端のおしゃれ”すぎて一般ウケしない場合があること
・無理に若ぶっているように見えるなどして女子ウケが悪いこと
では、「買うべき・買ってはいけない調査班」が選んだ「この春、買ってはいけないユニクロの服5選」を紹介していこう。
スウェットシャツ(長袖)/1990円(税別、以下同)
定番のスウェットシャツを今季向けにアップデート。ヴィンテージものを参考にした太め糸を採用し、より厚手で丈夫な生地感でカジュアルさが増している。生地は着心地良好なコットン100%のフレンチテリー素材で膨らみ感が特徴。カラーバリエーション(カラバリ)はライトグレー、グレー、ブラック、ベージュ、イエロー、グリーン、ブルー、ネイビー、パープルの9色展開。
「おしゃれな若者が着ると“あえてのラフスタイル”として成立しますが、30代以上の大人男性が着ると“寝間着”っぽくなってしまうのが玉に瑕。カラバリが豊富で、自分に似合う色であれば悪くはないかもしれませんが、例えばイエローやパープルあたりはほぼ大半の大人男性が着こなせず、ダサくなってしまうでしょう」(堺屋氏)
フォートナイト スウェットパーカ(長袖)/990円(※値下げ後価格)
世界中の子供から大人までを魅了し、eスポーツとしても人気の高いゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」とのコラボアイテム。ゲーム中に登場するコスチュームやアイテムをプリントしたコレクションとなっている。
「『FORTNITE』がダサいとかかっこ悪いというわけではなく、デザインの仕方に難があるコラボシリーズ。この『FORTNITE』コラボが全部『買ってはいけない』というわけではないのですが、例えば青地のスウェットパーカ。これは、前身頃に中世ヨーロッパの騎士の仮面のようなプリントがデカデカとされていて、微妙にダサいんですよね……。ゲームを知っている人には理解してもらえるかもしれませんが、『FORTNITE』を知らない女子からのウケはすこぶる悪そうです」(堺屋氏)
エクストラファインコットンブロードチェックシャツ(ボタンダウン・長袖)/1990円
超長綿100%を使用した上質コットンを採用し、表面には起毛加工とウォッシュ加工を施すことで、ふんわり柔らかな心地良さを実現した赤チェックシャツ。洗濯後にシワが残りにくい素材になっているのもポイント。また、ディテールへのこだわりでシルエットをきれいに見せ、動きやすさも追及している。
「この『買ってはいけない』シリーズで過去にも言及したことがありますが、基本的に赤チェックシャツは大人のビジネスパーソンには鬼門です。上手に着こすのが難しく、すぐにヲタク感が出がちだからです。チェックシャツを着たいのであれば、赤系は避けることと、チェックの目があまり細かくないブロックチェックを選ぶといいかもしれません」(堺屋氏)
ザ・ブランズ マスターピース UT S&Bわさび(グラフィックTシャツ・半袖)/990円
世界中から愛される有名企業の人気商品とコラボした『ザ・ブランズ マスターピース』シリーズ。「S&Bわさび」Tシャツ以外にも、例えば「カップヌードル」や「タバスコ」「アクアフレッシュ」のモチーフをあしらったTシャツがある。
「“一周回っておしゃれ”を狙っているんでしょうが、正直、この『S&Bわさび』Tシャツなどは一周回りきれてない感がしますね……。緑の生地の胸元に、わさびの缶詰のプリントがあしらわれているのですが、そもそも緑地のTシャツを大人男性が着こなすのは至難の業。そこにさらに、わさび缶のプリントがあしらわれているので『買ってはいけない』Tシャツと言えるでしょう」(堺屋氏)
ドラゴンボール UT(グラフィックTシャツ・半袖)/1500円
世界的大ヒットアニメ『ドラゴンボール』とコラボしたTシャツで、人気キャラや戦闘シーンのプリントが身頃にあしらわれている。ファッション界やストリート界で活躍するコラージュアーティスト・河村康輔氏とアートコラボしているのもポイントだ。
「前回の『買ってはいけない』の冬編で、同様の『ドラゴンボール』のコラボパーカを紹介しましたが、Tシャツもやはりダサかったです。誤解なきようにお伝えしておきますが、『ドラゴンボール』の作品がダメだとか、登場するキャラクターがかっこ悪いと言っているのではなく、あくまでこのTシャツのデザインがダサいという話です。
例えば、胸元に悟空やフリーザや18号といったキャラのプリントが、どーんとされていたりします。なかには“悪くはないかも”という印象のデザインのTシャツもありましたが、大半はダサいので大人男性は買わないほうがいいなと感じました」(堺屋氏)
――ユニクロのアイテムは素材にこだわっており、デザインも奇をてらわないスタンダードなものが多いため、「買ってはいけない」というべきアイテムは少ない。しかし、今回紹介したように、“若者ならありだけど30代以上の大人男性には着こなせない”ものもあるのだ。特に今回はコラボものを計3アイテム紹介したが、コラボものは『買ってはいけない』率が高めなので注意していただきたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)
※情報は2020年3月5日現在のものです。