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縁起の良い「初夢」を見ても無意味?夢の分析は無意味?悪い夢が脳に良い場合も

文=増田理穂子、昌谷大介/A4studio
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縁起の良い「初夢」を見ても無意味?夢の分析は無意味?悪い夢が脳に良い場合もの画像1「Thinkstock」より

 1月1日の夜から2日にかけて見る夢のことを「初夢」と呼ぶが、「初夢」という風習の歴史は実に長く、起源は鎌倉時代にまで遡るという。「その年の吉凶がわかる夢占いの一種」ともいわれているため、「初夢」に何を見たのかを気にしてしまう方も多いのではないだろうか。

 日本では縁起がいい「初夢」としては、「一富士、二鷹、三茄子」が有名。富士は高く大きく、鷹はつかみ取る、茄子は「成す」などの意味があるとされ、縁起がいいといわれているが、これらを意識的に見る方法はあるのだろうか。

『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)など数多くの著書があり、2017年1月には新著『「寝たりない」がなくなる本: 「効率のいい睡眠」を手に入れる方法』(三笠書房)を上梓する作業療法士の菅原洋平氏に話を聞いた。

「枕の下に見たい夢の写真を入れる」の効果は?

 まず、「見たい夢」を見る方法として、枕の下に見たい夢に関連した写真やイラストを置いたり、夢に関連した外的刺激を与えるといった方法が有効だという噂は、正しいのだろうか。

「夢の内容を構成するのは自分の記憶です。そして、記憶を構成する材料が自分の行動なので、当然、行動が夢の内容に反映されることがあります。ですから、効果があると断言はできませんが、枕の下に写真を置くといった行動に関連した夢を見ることがあるかもしれません」(菅原氏)

 つまり、写真やイラスト自体に効果があるというわけではないが、そういった行動を取った記憶が夢の内容に反映される可能性があるということか。ただ、菅原氏はこう続ける。

「前提として、自分が感じる“良い夢”を見ることが脳にとっていいこととはいえません。逆に、“悪い夢”を見ているときには、不要な感情や記憶を消去していることもあるので、“悪い夢”を見ることは重要なのです」(同)

夢の良し悪しを科学的に分析していたのは19世紀まで

 では、「一富士、二鷹、三茄子」のように縁起がいいとされている夢については、どのような見解なのだろうか。

「夢の内容に関して、それが“良い”“悪い”と分析することは19世紀まで行われていた考え方であって、現代では『一富士、二鷹、三茄子』といった夢にも、分析の意味がないとされています。“初夢が吉凶を占う”といったことも同様です。

 ただ、科学と文化を比較した際に、文化のほうが人の行動に影響を与えることはよくあることです。例えば、ある行動が科学的には意味がなかったり間違っていたりしても、文化的に浸透していることであれば、多くの人はその行動を選びます。ですから、“初夢が吉凶を占う”ということを信じる文化は尊重されるのは当然だと思います。

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