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茶色で萎れたスーパーのレタス、再加工→再々加工で「新鮮さ」偽装?

文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表
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茶色で萎れたスーパーのレタス、再加工→再々加工で「新鮮さ」偽装?の画像1「Thinkstock」より

 サラダ用レタスを選ぶポイントは、芯の切り口が10円玉大で白く、葉がみずみずしく、ツヤとハリのあるものが新鮮で良いものです。芯の色は、収穫から時間がたつにつれて茶色く変色していきます。レタスは、光合成が始まる前、すなわち太陽が昇る前の早朝に収穫されたものがおいしいといわれています。

 芯の切り口が変色しているものは、収穫から時間がたっている証拠です。収穫したのがいつなのか、確認することが必要です。

 レタスの鮮度を保つためには、レタスが持っている熱を取り除き、温度を低くすることが大切です。収穫後、すぐに真空状態にして冷却している生産者もあります。真空冷却を行ったレタスは鮮度が長く保たれ、芯の部分が茶色くなるのは遅くなります。真空冷却することなく、室温のまま温度管理されずに輸送されてきたレタスは、芯の断面がすぐ茶色になり、葉も溶けたような状態になることがあります。

 スーパーに入荷した時点で切り口がすでに茶色くなっているレタスがあった場合、店舗で切り口を再度切っている場合があります。業界では「再加工」といいますが、鮮度自体は落ちていても、見た目は新鮮なようになります。

 また、温度管理されていない売り場で売られていると、すぐに切り口が茶色くなってしまいます。そこで、再加工したレタスを再度「再加工」して販売していることもあります。

 売り場のレタスを見て、全体的に新鮮さがないにもかかわらず、切り口があまり変色していない場合、加工場の店員に「このレタスはいつ入荷したのですか。再加工はしていませんか」と質問してみてください。良いお店であれば、正直に答えてくれるはずです。

 ほかにも、おいしいレタスを見分けるコツがあります。半分にカットされているレタスは、断面を見てください。芯が長いものは固く、苦味がある場合があります。

 野菜は、ずっしりと重さのあるものを選ぶのがよい場合が多いですが、春キャベツやレタスは葉の巻きがふんわりゆるく、持った時に軽めのものがよいです。

食物繊維が多いのはレタスよりもキャベツ

 ちなみに、「食物繊維キャベツ1個分」と「食物繊維レタス8個分」、食品のパッケージなどにこのような表示があった場合、あなたはどちらを選びますか。実は、どちらも同じ量なのです。

 食物繊維の1日当たりの摂取目標量は、18歳以上では男性19グラム以上、女性17グラム以上とされています。レタス1個に含まれる食物繊維量は約2.5グラム、キャベツ1個に含まれるのは約19グラムですので、キャベツ1個が1日の摂取量に相当します。

つまり、食物繊維をとりたい場合には、キャベツがオススメです。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)

河岸宏和/食品安全教育研究所代表

河岸宏和/食品安全教育研究所代表

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

「食品工場の工場長の仕事とは」

Twitter:@ja8mrx

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