ビジネスジャーナル > ライフニュース > この春、セラピー犬が<入社>
NEW

犬と触れ合うと健康になる?犬とのかかわり合いがもたらす驚愕の効果

文=ヘルスプレス編集部
この春、犬4匹が<入社>~人々を元気にするセラピー犬、ファシリティドッグの活躍の画像1「おとなの学校岡山校」で犬4匹の入社式

 新たな出会いの多い春、新入学、新入社の季節でもある。4月1日、介護老人保健施設「おとなの学校岡山校」に、4匹の犬がドッグセラピーチーム「ワンコネクト」の一員として“入社”した。

 社会医療法人清風会が運営する「おとなの学校岡山校」は、全国でも珍しい学校スタイル。 国語・社会・算数・図工など時間割に沿った授業で、機能訓練や脳リハビリを行っている。これまでも、グランドピアノを使った音楽療法や「くもん学習法」などを取り入れてきた。

 同施設では今回、病院併設型介護老人保健施設としては岡山県初の「ドッグセラピー」を本格導入。ドッグセラピーとは、動物を使った治療方法である「アニマルセラピー」のひとつだ。

 高度に訓練されたセラピー犬を介在させて、認知症などの障害を持つ人々に対し、心や体のリハビリテーションを目的としたプログラムを実施する。

 犬と触れ合うことで精神的に安定したり、 記憶力の改善による認知症の改善、 身体的な運動機能の回復効果などが期待される。

「おとなの学校岡山校」が目指しているのは、在宅復帰という患者の“卒業”だ。病院での治療は終えたが自宅生活を行うには難しいという人が、在宅復帰に向けてのリハビリを行っている。

 数年前から利用者に犬と触れ合う機会を設けたところ、利用者の笑顔が増え、意欲がわくという効果を目の当たりにした。そこで、「卒業=在宅復帰」にはドッグセラピーが有効であることを確信し、本格的にスタートを切ったのだ。

スキンシップで元気を与えるファシリティドッグ

「おとなの学校岡山校」では高齢者のサポートがメインだが、子どもたちに前向きさや喜び、強い心を身につけてもらう――そんな役割を持つ犬もいる。

 病気の子どもたちを支える「ファシリティドッグ」だ。ファシリティとは英語で「施設」を意味し、直訳すると「施設犬」だ。昨年、NHKで特集されたファシリティドッグの番組では、「神奈川県立こども医療センター」で働いているゴールデン・レトリーバーの「ベイリー」が紹介された。

 ファシリティドッグは、ストレスを抱えた人々に愛情と安らぎを与えるようなトレーニングを積んだ犬だ。人々に自分の体を触ってもらい、それを楽しんでもらうのが仕事である。このスキンシップは、特に子どもにとって、ストレスを減らして元気づける効果があることが、研究で明らかになっている。

付き合い始めは紀元前、人間と犬は「古い友人」

 施設や病院などを訪問し、利用者や患者と交流を図るのが仕事のセラピー犬も、人々を元気づけるのが仕事だ。しかしファシリティドッグは、決まった施設に常勤しているのが特徴だ。つまり、その施設のスタッフの“一員”なのである。

 短い訪問時間ではなく、スタッフとして日々一緒に過ごし、多くの時間を子どもたちに寄り添うのは、大いに意味がある。普段の遊びや散歩だけでなく、子どもたちが不安を感じるとき、たとえば手術前や採血、リハビリの時間なども共にできるからだ。犬のハンドラーが、看護師などの医療従事者だからこそできることだ。

 そういう存在から子どもたちは、安心感や信頼、勇気や自己肯定感、適切な感情表現を得る。また、大好きな犬と仲よくなろうとして、ワガママが自然と矯正される側面もある。身勝手なことをしたら、犬が離れていってしまうからだ。

 セラピー犬やファシリティドッグの役割は、人々に癒しや安らぎを与えること。 犬が人間と一緒に暮らすようになったのは、紀元前に遡るほど「古い友人」だ。家族であり仲間、安らぎを与えてくれる友人であり、良きパートナーだ。

 近年、ペットとの触れ合いが人の心を癒すだけでなく健康にも貢献してくれることがわかり、ペットセラピーを積極的に取り入れる医療機関や介護施設も増えている。人間と苦楽をともにしてきた、このパートナーの活躍する新たなフィールドが注目されている。
(文=ヘルスプレス編集部)

※ 初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

ヘルスプレス編集部

ヘルスプレス編集部

医療・健康について話題のトピックを発信する情報サイト。芸能人の健康問題や最先端の医療など、幅広い健康・医療情報をお届けします。

健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

Twitter:@Health_Press_JP

犬と触れ合うと健康になる?犬とのかかわり合いがもたらす驚愕の効果のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!