夏の風物詩に、「お化け屋敷」や「怪談」がある。
「お化け屋敷」では「暗闇」のなかから、異様で怖い風貌の幽霊が突然現れ、肝を冷やすというのが常である。「怪談」も、「幽霊が生前恨みを抱いていた人の前に現れ、その人を恐怖に陥れ、仕返しする」というのが定番のストーリーだ。
こうした恐怖にさらされると、副腎からアドレナリンやコルチゾールが分泌されて、血管が縮み、血流が悪くなり、体が冷える。つまり、幽霊が出てくると、恐怖のあまりぞっとして寒くなる。だから、エアコン(冷房)のなかった時代の夏は、「お化け屋敷」や「怪談」で涼をとっていたのだろう。今年の夏は、毎日異常なほどの猛暑が続いているので、「お化け屋敷」が賑わい、「怪談」に関する本の売れ行きがよくなるかもしれない。
さて、ここで肝心の幽霊が存在するかどうかが問題になる。
幽霊とは、「死者が成仏できず、この世に迷い出た姿」と辞書には書いてある。しかし、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉は、「幽霊なんか見る人の錯覚であり実際は存在しない」ということを暗に示している。
私は「霊」や「あの世」は存在すると確信している。蓄音機や電球をはじめ、1000にも及ぶ発明をしたアメリカのトーマス・エジソン(1847~1931)は「死後の個性には記憶、知性、現世で獲得した能力や英知も残ると考えるのが論理的でしょう。そして死後の個性は後世の人々と交信したいと考える」と喝破している。そして実際に、霊界と交信できる電話に似た通信機の開発に意欲を燃やしていた、という。エジソンのいう「個性」はイコール「霊」と考えてよい。
イギリスでは「霊の存在を科学的に解明するために」として英国心霊研究会がつくられ、錚々たる科学者が歴代会長を務めた。そのなかにはウィリアム・クルックス(タリウム元素を発見。放射線測定器を発明)、ジョン・ストラット(ノーベル物理学賞を受賞)、シャルル・リシェ(ノーベル生理学・医学賞を受賞)などがいる。これは「科学者も科学を究めれば、霊の世界に踏み込まざるを得ない」という証左である。
なぜ生命は生まれたのか?
45億年前に誕生した地球上には、植物も動物も有機物質も存在しなかった。その後、数億年を経て、二酸化炭素(CO2)と水蒸気(H2O)に光その他の宇宙エネルギーが作用して、ブドウ糖(C16H12O6)という有機物と酸素(O2)がつくられ、生命誕生の礎ができた。