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常識君の解説です。
「ワクチンの宣伝をみても、肺炎による入院費用はこんなにも高額で、その費用が削減できますといった文言を目にします。たしかに肺炎による入院費用は削減できるかもしれませんが、今度は別の肺炎で入院するかもしれません。肺炎以外の病気で入院するかもしれません。つまり、ある病気は先延ばしできても、いかに死ぬかを考慮しないと、医療費の削減にはならないということです」
非常識君が言います。
「僕が噛みついているのは、予防医療にお金を使うということなのです。お金がかからない病気の予防策はどんどんやるべきです。禁煙の励行を奨めるとか、適度な運動をしろとか、バランスのよい食事をしろとかです。生活の質を維持するために、ワクチンを打ったり、生活習慣病の内服治療を行ったりすることはまったく賛成です。注意してもらいたいことは、いくら病気を回避してもいつかは死ぬのだから、そこで相当額の治療費が必要になり、それは先延ばしされるだけで、逃れることはできない費用だということです」
極論君の意見です。
「確かにそうですね。野生の動物が死ぬときは、どこかわからないところで息絶えるそうです。人もそんなシステムができれば、医療費は削減されるでしょうが、そんなことあり得ませんね。みんなのお金を適切に使用する仕組みを考える必要があります」
3人とも同じような論調に収まりました。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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