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上司に潰されそうなキミへ…5月病で「会社に行きたくない」→退職に陥らないために

文=長井雄一朗/ライター
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上司に潰されそうなキミへ…5月病で「会社に行きたくない」→退職に陥らないためにの画像1「Thinkstock」より

 ゴールデンウィーク明けに顕在化する「5月病」。入社や入学、あるいは転勤や転職などで、4月から新生活を始めた人も多いことだろう。慣れない環境での生活や仕事も1カ月を過ぎ、慣れ始める人がいる一方で、「会社に行きたくない」「なんとなく気分が憂うつ」と心身の不調を訴える人も少なくない。

 また、4月から5月にかけては気候の変動も大きく、“気の病”にかかりやすい時期とされる。なぜ、人は5月病になるのか。

 東京大学付属病院分院神経科勤務、立教大学コミュニティ福祉学部教授などを経て東京・江戸川区の町沢メンタルクリニック院長を務める町沢静夫氏に、話を聞いた。

「厳しい大学入試に合格したり目標の会社に入社したりすることで、自分の目的を達成し、その先に目指すべきものが見えなくなる。そして、覇気がなく、やる気も出なくなり、心も体もからっぽになる。それが5月病であり、軽いうつ症状であるともいえます」(町沢氏)

 少なからず、誰でも経験があるかもしれない。自分の目標を再設定し、新たな目的に向かうことができれば5月病を克服できるが、そのまま症状を悪化させて出社できなくなるというケースもある。これは新入社員に限った話ではなく、異動や昇進などで環境の変化に直面した中高年にもあり得る話だという。そこで、町沢氏はこう提案する。

「人生は自分のペースで生きることが大切であり、基本です。たとえば、仮に“期待の新人”という見方をされていても、最初はスローペースで仕事をこなし、様子を見ながら少しずつジャンプするような生き方にするべきでしょう。4月から周囲の期待に応えようとしてがんばりすぎると、5月病にかかりやすくなります」(同)

 最初のうちはバリバリと仕事をこなし、周囲からも「あいつはできる」と思われていたものの、いつの間にか会社から消えていた……というケースも多いのではないだろうか。

 また、「精神的につらくなった」「軽いうつになった」などの理由で一時的に療養し、そのまま退社するケースも多い。スローペースで仕事をこなすなど張り切りすぎないこと、上司は新入社員に過度な期待をかけないこと、などの心構えが必要だろう。

「5月病だ」と自覚したら、まずすべきこと

 しかしながら、特に会社員で5月病に苦しむ人は後を絶たない。「会社に行きたくない」「やる気が出ない」などの症状が出たり軽いうつ状態になったりした場合、どうすべきなのだろうか。

「人と話をすることが重要です。たとえば、学生時代の気の置けない友達と雑談して、そのなかで会社に対する不平不満をこぼすだけでも、だいぶ違います。ただ、昔は家族、友人、地域の結びつきが強かったので、それによって助けられることも多かったですが、 近年は核家族化が進み、人と人の関わり合いや心と心の触れ合いが少なくなっています。

 周囲と比較して競争したがる時代環境のなか、メンタルケアの必要性はますます高まっています。私どもは、医者と患者さんの垣根を取っ払い、人間同士として患者さんのお悩みに耳を傾けます。また、話を聞くだけではなく、薬を処方することによって症状を改善させることに力を注いでいます」(同)

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