1989年3月に1号店を構えてから、30年以上もの歴史を積み重ねてきたディスカウントストア「ドン・キホーテ」。日本国内だけでなくアメリカやシンガポールにも出店しており、2020年12月1日現在のグループ総店舗数は635店に上るという。
“驚安の殿堂”と掲げているとおり、販売されている商品の低価格ぶりが特徴のドンキ。2020年11月20~29日には、特製福袋や日替わりで限定特価商品を販売する「MEGAブラックフライデーセール」を開催して注目された。
そんなドンキには「情熱価格」というPB(プライベートブランド)が存在している。衣類や日用品、生活雑貨、食品、さらには家電まで揃えている充実のラインナップで、基本的には安さと優れた品質を両立させたアイテムばかりなのだが、なかにはコスパやクオリティに問題がある商品も散見される。
そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、ファミリー向け店舗「MEGAドン・キホーテ」で販売されている情熱価格商品を独自にリサーチ。「この冬、買ってはいけないドンキ5品」をピックアップした。
洗たく槽クリーナー/178円(税別、以下同)
冬といえば大掃除の季節。この時期に家のあちこちを一気にきれいにするという方も多いだろう。情熱価格には掃除用のアイテムが数多くラインナップされており、「洗たく槽クリーナー」もそのひとつだ。
「洗たく槽クリーナー」はその名の通り、洗濯槽の汚れを漂白・分解してくれる洗浄剤。1回の掃除に1本使い切る量になっており、全自動、乾燥機付き全自動、ドラム式、二層式洗濯機のステンレス槽、プラスチック槽に対応していることが特徴である。実際に使用した結果、今まで見えなかった汚れが落ちてその効果を実感することができた。
では、なぜ「洗たく槽クリーナー」を“買ってはいけない”商品に挙げたかといえば、その理由は、使用後のニオイにある。塩素系液体タイプの洗浄剤となっているため、洗濯槽に塩素のニオイが残ってしまうのだ。ニオイに敏感な方、塩素系のニオイが苦手だという方は買い控えたほうがいいだろう。
貼らないカイロ/198円
記録的な暖冬と言われていた昨冬とは打って変わって、冬らしい寒さになっている今冬。防寒対策を怠らず、体調を崩さないよう気をつけたいところだ。
さて、手足や体の冷えを和らげるために、冬の季節はカイロを使うという方も多いだろう。だが、2020年1月9日付当サイト記事『ドンキ、安いけど“大不評な”商品5選…撮影しづらいドラレコ、水に弱い「防水」絆創膏』でも紹介した「貼らないカイロ」は、あまりおすすめできないため、今回も紹介しておきたい。
「貼らないカイロ」の欠点は、すぐに暖かくならないことと、温度があまり高くならないことにある。熱すぎるカイロを買いたくないという方にはちょうどいいアイテムだが、開封してすぐに暖まりたい、カイロは温度の高さを重視して選びたいという方は、ほかのカイロを購入したほうがいいだろう。
ドライカルパス/298円
肌寒い冬の季節は、暖かい家の中でゆったりとした時間を過ごすという方も多いはず。そんな至福のひとときに欲しくなるのが、手軽に食べられるお菓子やおつまみだ。
「ドライカルパス」は胡椒が効いた少しスパイシーな味つけが特徴のおつまみ。ビールやワインなどのお酒にピッタリというだけでなく、個包装されていて手が汚れないため、パソコンなどで作業している傍らや、ゲームなどで遊んでいるというときでもつまみやすい商品となっている。
しかしながら、この「ドライカルパス」に関する購入者の声を見ると、「脂分が多すぎる」「旨味が全く感じられない」といった批判的な声もある。実際に食べてみたところ、食べづらさを感じるほどではなかったものの、確かに脂の風味が強い印象で、脂っぽい食べ物が苦手という方は避けたほうが無難かもしれない。
完全ワイヤレス片耳イヤホン/1980円
年々普及が進んでいるワイヤレスイヤホン。ケーブルによる片づけの煩わしさや動きへの干渉がないため、有線のイヤホンから完全に乗り換えたという方も少なくないだろう。
情熱価格にも「完全ワイヤレス片耳イヤホン」がラインナップされている。その名の通り左右どちらにも装着できる片耳用のワイヤレスイヤホンで、防水規格IPX4という汗や飛沫に強い防水性能を持つため、ジョギング中のように周囲の音を聴き取る必要があるシチュエーションで便利な商品だ。ハンズフリーで通話ができることも特徴となっている。
だが、この「完全ワイヤレス片耳イヤホン」使用時に通話をすると、相手に自分の声が伝わりづらくなるといった指摘や、ラジオなどの音声と比べて音楽は聴きづらいという不満の声が、ユーザーから上がっている。大事な電話や会議、音楽鑑賞で使う場合、十分に機能しない可能性があるので注意していただきたい。
フェイスタオル3枚組/598円
洗顔や手洗い、入浴のあとの体拭きや、スポーツ時の汗拭きなど、さまざまなシチュエーションで活用されるフェイスタオル。日常で何気なく使っているアイテムであるため、あまり意識せずに選ぶ方も多いかと思うが、ドンキの「フェイスタオル3枚組」は少々気をつけたい商品だ。
おすすめできない理由は、そのコスパの悪さにある。3枚組で598円、1枚当たり約200円になるわけだが、1枚の値段がこれよりも安いフェイスタオルはスーパーなどで購入することができる。そのため、安くフェイスタオルを買いたいという方には不向きなアイテムなのである。
また、触り心地がゴワゴワして硬く、タンブラー乾燥機にかけられないなど取り扱いの注意点がいくつかあるといった欠点もある。ふんわりとした触感のタオルが使いたいという方や、洗濯の手間を惜しむビジネスパーソンは避けたほうがいいかもしれない。
今回紹介した5つのアイテムは、到底使い物にならないというほどの大きな問題点はないものの、特徴を理解せずに購入すると損をした気分になってしまうようなものが多い。逆に言えば、用途次第では値段以上に役に立ってくれる可能性もある。つまりは、しっかりと自分が考える使い方と商品の特徴を照らし合わせ、買い物をすることが大事ということだろう。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2020年12月16日現在のものです。