日本の家具・インテリア業界大手である「ニトリ」。その歴史は1967年12月の札幌で始まり、1993年3月に茨城県ひたちなか市で本州第1号店をオープン以降、全国47都道府県に出店。2020年12月17日現在の日本国内の店舗数は567店に上り、台湾や中国、アメリカにも進出している。
2020年11月13日にはホームセンターを展開している島忠が、ニトリを運営するニトリホールディングスとの経営統合に合意したと発表。さらには、34期連続増収増益が確実視されているなど、世界的に新型コロナウイルス感染症が流行している状況ながらも上り調子にあるようだ。
ニトリは“お、ねだん以上”というキャッチコピーで知名度を向上させ、そのコピーに恥じない優秀なコストパフォーマンスを実現させた商品が数多い。しかし、なかには残念ながら“値段未満”のクオリティだとユーザーから指摘されるような商品も、ちらほらと見受けられる。
そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、ニトリで販売されているアイテムをリサーチし、「この冬、買ってはいけないニトリ商品」5つをピックアップした。調査班が独断で選出したものではあるが、ニトリでのショッピングで役立てていただければ幸いである。
スリムペダルペール20L(LGY-N)(ゴミ箱)/999円(税込、以下同)
毎日の生活に必要不可欠なゴミ箱。ニトリでもさまざまなゴミ箱が販売されており、2020年5月4日付当サイト記事『ニトリ、部屋がオシャレになる日用品4選&楽にお茶やコーヒーがつくれる斬新ポット』で紹介した、「袋が見えにくいダストボックス チューブラスクエア」はその代表例だ。
同じくニトリのゴミ箱である「スリムペダルペール20L(LGY-N)」は幅20cm、奥行35.5cm、高さ45cmで、ペダルで開閉するフタが付いていることが特徴。だが、こちらは残念ながらおすすめしづらいアイテムとなっている。
購入したユーザーから指摘されている主な難点は、ペダルでフタを開けたときにゴミ箱自体が動いてしまうことと、ゴミ袋の取り付けづらさの2点。重量が約1.1kgとかなり軽いので、ゴミが入っていない状態ではフタの開閉で動きやすいうえ、袋止めが正面から見て左右に付いているため、なかなかきれいに取り付けられないのである。単純な使いやすさで選ぶのであれば、この商品は選択肢から外したほうがいいかもしれない。
バスマット(テリー2 35×50)/407円
温かい風呂が恋しくなる冬は、バスグッズを買い揃えて入浴の時間をより豊かにするのにちょうどいい時期だろう。
さて、風呂上がりの足の裏の水分を拭き取り、床が濡れてしまうのを防ぐバスマットは、普段はなかなかその恩恵を感じることは少ないが、大事なバスグッズのひとつ。しかし、「バスマット(テリー2 35×50)」は1枚407円と、ニトリのバスマットのなかでも手軽に購入できるアイテムなのだが、そのクオリティには批判的な意見も寄せられている。
肌触りの良さと速乾性はバスマットに求められる重要な要素。しかし、この商品はやや薄めで乾きづらい欠点を抱えているのだ。試しに使用してみたところ、夜に入浴したときに吸った水分が翌朝までしっかり残ってしまっていた。ふわふわとしたやさしい踏み心地や、速乾性を重視するのであれば買い控えるべきだろう。
ゴム無し敷きパッド シングル(Nウォーム モイストoMOS)(マットレス)/3990円
ニトリを代表する商品である「Nウォーム」シリーズ。テレビCMで名前を聞いたことがあるという方も多いのではないだろうか。人気シリーズということもあって高い評価を受けている商品がいくつもあるのだが、なかにはこの「ゴム無し敷きパッド シングル(Nウォーム モイストoMOS)」のように不評な商品も存在する。
このアイテムは、しっとりとした肌触りと保湿機能を備えたNウォームモイストの寝具で、ゴムバンドがないためそのまま置くだけで使えることが最大の特徴だ。
しかし、シリコーン樹脂の滑り止めによって「ズレにくい」と商品説明に記載されているにもかかわらず、使っていると簡単にズレてしまうと、購入者から批判されているのである。寝返りをよく打つという方は、ゴムバンド付きの敷きパッドを購入したほうが賢明かもしれない。
水で洗えるふさふさバスクリーナー/814円
肌寒い冬の風呂掃除は体が冷えないうちにパパっと終わらせたいと思う方も少なくないはず。そんなときに役立つのが、自ら浴槽の中に入らずとも掃除ができるバスクリーナーだ。
「水で洗えるふさふさバスクリーナー」はポリプロピレン製の網目繊維によって、その名の通り、洗剤を使わずに風呂場全体を掃除できることが特徴の商品。一見すると非常に便利に思えるが、ユーザーからの評価は芳しくない。
最大の問題点はクリーナーとしての性能の低さ。“力を入れずになでるだけで石鹸カスやヌメリが落とせる”という謳い文句なのだが、実際に使ってみると、一度では汚れを落としきれないことも多く、ゴシゴシと力を入れて拭き取らなければならなかった。無理にこのアイテムで掃除するよりも、スポンジと洗剤を使ったほうがよっぽど早く終わるだろう。
吊り下げティッシュケース/814円
鼻水が出やすい冬は、必然的にティッシュを使う機会が増える季節でもある。ティッシュの箱を収納するティッシュケースは、部屋をよりオシャレに演出し、机の下に吊り下げてデッドスペースを有効活用するなど、さまざまな用途に使うことができる便利グッズだ。
この「吊り下げティッシュケース」は、取っ手の長さが2段階に調節可能で、取っ手を外すことで普通のティッシュケースとして使うこともできることが魅力。しかし、取り出し口が狭くティッシュが取り出しづらいと、購入者から不満の声が上がっており、実際に使用してみたところ、取り出し口に引っかかってティッシュが破けてしまうこともあった。
ニトリでは、昨冬の当サイト記事『ニトリ、今冬“激売れ&革新的”な日用品5選…着る毛布、冷蔵庫脇ラック』で紹介した「ティッシュケース NOSETE2」のように、優秀なティッシュケースも販売されている。ニトリでティッシュケースを買いたいときは、ほかの商品を選んだほうがいいだろう。
ニトリ商品は優秀なものが多いが、なかには期待した用途に使えないものも少なからずあるようだ。値段や宣伝文句で即決せず、慎重な買い物を心がけてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)
※情報は2020年12月17日現在のものです。