ユニクロを運営するファーストリテイリングの発表によると、2020年8月期連結決算は17年ぶりの減収減益だったという。
ファストファッション業界の王者といえど、やはりコロナ禍の影響を多大に受けていた模様。売上高は前期比12.3%ダウンの2兆88億円、営業利益は42%ダウンの1493億円、最終利益は44.4%ダウンの903億円という、芳しくない結果だったようだ。
しかし来期は過去最高益を達成するという強気の見通しを打ち出しており、11月には中国・上海で開催された「中国国際輸入博覧会」に初出展し、人気コレクションの新商品や独自の技術展示をするなど、次の一手にも余念がない。
さて、そんなユニクロはベーシックなデザインの服が多いため、あまりファッションに詳しくない人でも着こなしやすい服が多い印象だろう。だが実はユニクロのなかにも着こなしが難しく、着る人によってはダサくなってしまうアイテムも存在しているのだ。
そこで今回は「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が、「この冬、買ってはいけないユニクロの服5選」をリストアップ。そして、恋愛コラムニストで10年以上のファッションライター経験もある堺屋大地氏に、なぜおすすめできないかを解説していただいた。
今回、以下の3つを基準として選定した。
・ファッションビギナーが着るとダサくなる可能性が高いこと
・“最先端のおしゃれ”すぎて一般ウケしない場合があること
・無理に若ぶっているように見えるなどして女子ウケが悪いこと
ファーリーフリースプルオーバー(長袖)/1990円(税別、以下同)
ふわふわのフリース素材で、暖かさと柔らかな触感を打ち出したプルオーバータイプのトップス。カラーバリエーション(カラバリ)はオフホワイト、グレー、ブラック、ベージュ、オリーブ、ブルーの6色展開。
「プルオーバータイプなので頭からかぶって着るフリース。『買ってはいけない』理由はシルエットがもっさりしていて、ダサいこと。首から右肩部分にかけてボタン仕様になっていて着やすくなっているんですが、これもダサさを引き立てています。カラバリの色味もいまいちで、オフホワイトやグレーはまだいいですが、ベージュやオリーブを着こなすのは相当難しそう」(堺屋氏)
ウルトラライトダウンパーカ/6990円
ユニクロの冬の代名詞ともいえるウルトラライトダウンパーカ。今季は袖口をすっきりさせるといったブラッシュアップを行っている。耐久撥水加工で多少の雨水ははじいてくれる。カラバリはオフホワイト、グレー、ブラック、ライトオレンジ、イエロー、ダークグリーン、ブルー、ネイビーの8色展開。
「品質自体は申し分なくコスパもとても良いんですが、いかんせんこの『ウルトラライトダウンパーカ』は、“ファッションに興味がないオジサンのアウター”というイメージがつきすぎてしまっていますね。またライトオレンジ、イエローあたりは若々しすぎて大人男性が着ると痛々しくなってしまうでしょう。かといって他の色だとオジサン臭が漂ってしまいがち」(堺屋氏)
ウルトラライトダウンコンパクトジャケット/4990円
“薄くて軽くて暖かい”を標榜する前ボタンタイプのダウンで、今季はキルト幅を太くすることでよりカジュアルにアップデート。雨水をはじく耐久撥水加工や、静電気軽減の裏地を採用している。カラバリはダークグレー、ブラック、オリーブ、ネイビーの4色展開。
「最初に言っておくと、このアイテムをコートなどのインナーとして見えないように着るのであれば、買っても良いと思います。着ぶくれせずに暖かさがアップしますから、重宝するでしょう。ただ、ユニクロは公式で“室内での防寒着にも使える”と謳っているんですが、このダウンが見える形で堂々と着るのは、やめておいたほうがいい。前ボタン仕様というデザイン的にオジサン感が出すぎてダサいです」(堺屋氏)
ウルトラストレッチスウェットセット(カラーブロック・長袖)/2990円
伸縮性に優れ、着心地も良い素材を採用したスウェット上下セットで、フロントドットボタンを採用した前開きデザイン。カラバリはグレー(トップスの上部グレー・下部オフホワイト)、ブラック(トップスの上部ブラック・下部ブルー)、ネイビー(トップスの上部ネイビー・下部ワインレッド)の3色展開。
「ユニクロは“カジュアルなシーンでの着用”も謳っていますが、そもそも大人男性が、スウェットの上下で外出するのはキツいでしょう。ヘンリーネックタイプなのも、スタイリッシュ感を損ねている要因に思えます。また、このアイテムはトップスがバイカラーデザインになっているんです。上部がグレーで下部がオフホワイトといった具合になっていて、若者ならおしゃれに着こなせるのかもしれませんが、30代以上ではダサくなってしまいそうです」(堺屋氏)
感動パンツ(ウルトラライト・コットンライク)/3990円
コットンライクな素材を使用し、カジュアルにもビジネスにも使えるため人気シリーズとなった「感動パンツ」。素材を東レと共同開発しており、超速乾、超伸縮、超軽量という高機能を実現している。洗濯後でもシワになりにくいため手入れがお手軽だ。カラバリはホワイト、ブラック、ベージュ、ブルー、ネイビーの5色展開。
「ズバリ、『買ってはいけない』のはホワイトのみ。その他のカラーであれば、ビジネスシーンでもスポーツシーンでも対応できる幅広い機能性とデザイン性で、良い商品だと思います。ではなぜホワイトのみNGかというと、“王子様感”が強すぎるから。30代以上の男性が穿くにはキレイすぎるんです。高身長でスタイル抜群の方なら大人男性でも上手に着こなせるかもしれませんが、一般的な日本人体型だと、この白パンツをかっこよく穿きこなすのは難しいでしょう」(堺屋氏)
今回はフリース、ダウン、スウェットなどの商品をピックアップしているが、これらのユニクロアイテムはもともと“ダサい”という烙印を押されていた過去があり、そのイメージが払拭しきれていないのが「買ってはいけない」要因だ。余談だが“ユニクロのダウン”のすべてが悪いわけではない。実際、今季のユニクロの「買うべき」では、ダウンシリーズから2商品をセレクトしているので、ユニクロでダウンを選ぶ際は注意して選んでいただきたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)
※情報は2020年12月10日現在のものです。