ある程度の年齢になってくると、アンチエイジングに興味が出てくるのではないでしょうか。少しでも若く見られたいという願望は、男性にも、女性にもあるのではないかと思います。かくいう私も若く見られたくて仕方ありません。
「若さ」というのは、活力、魅力、生命力に結びついています。エネルギッシュで、魅力的で、イキイキとした人間に見られたほうが、何かとトクをすることは論をまちません。アンチエイジングが花盛りの理由は、若く見られたほうが絶対的にトクだから。
アンチエイジングのために、高額な美容商品などを購入し、ビタミン類などのサプリメントを飲んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、もっと手軽に、しかもお金がかからずに若く見えるテクニックなんて、ないのでしょうか。
これが、あるんですよね。
しかも今すぐに「3歳若く見える」方法があるんですよ。
知りたいですか。知りたいですよね。
では、じらさずに正解をお教えしましょう。それは、とにかく「大きな笑顔」を見せるようにすること。小さな笑顔ではダメですよ。大きな笑顔を見せるようにするんです。
米セントラル・フロリダ大学のツェ・ワンという心理学者は、ある男性モデルにお願いして、笑った顔の写真を撮らせてもらいました。
なお写真を撮らせてもらうときには、無表情の顔から、小さなはにかみ、そして歯を見せて大きな笑顔を見せてもらう、というようにレベルを変えて、笑顔の大きさを6段階で撮らせてもらいました。
さて、その写真を362名の男性、305名の女性に見せて、「この男性は何歳くらいに見えますか?」と尋ねて、年齢を推定させてみたのです。
すると無表情の場合には、平均55.21歳に見えるという答えが、ほんのわずかに微笑んだときには(レベル1)、53.58歳に見えるという答えが返ってきたのです。
ちょっと笑っただけで2歳も若く見えたのですが、一番大きな笑顔を見せたとき(レベル5)の年齢の推定は、52.25歳でした。3歳も若く見えたんですね。
なぜ笑うと若く見えるのでしょうか。
それは、子どもっぽく、あどけなく見えるから。誰でも笑った顔は、子どもっぽく見えるので、年齢よりも若く見えてしまうのです。逆にいうと、無表情でいると、老けて見えるということでもあります。「なんだか年齢よりいつも上に見られちゃうよな」という人は、おそらく、顔の表情が乏しいのでしょう。
いつでもニコニコしているだけで若く見えるんですから、わざわざ高額なアンチエイジング商品を購入する必要はありません。「若く見られたい!」という人は、ぜひお試しください。
(文=内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表)