1932年に「松本薬舗」として創業し、約90年間にわたって多くの人に親しまれてきた大手ドラッグストアチェーン「マツモトキヨシ」。今年10月には、同じく大手ドラッグストアチェーンである「ココカラファイン」との経営統合を控えており、大きな関心を集めている。
しかし、このところの経営状況は芳しくないようだ。マツモトキヨシホールディングスが発表した決算報告によると、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の売上高、営業利益、経常利益は、それぞれ前年同期比ー5.7%、ー16.1%、ー14.7%とすべての項目で減少。「ココカラファイン」と経営統合して以降は業界首位の座に手が届くと見込まれているため、長い目で見守るべきなのだろうか。
そんなマツキヨは、PB(プライベートブランド)「matsukiyo」やマツキヨグループ限定のコラボ商品の開発にも力を入れているが、なかには評判がイマイチの商品もちらほら。そこで、今回は「買うべき・買ってはいけない調査班」が、マツキヨのこの夏、買うには”要注意”な商品を独自で調査。実際に購入して、その使い心地などを確かめたうえで紹介していくので、参考にしていただければ幸いである。
matsukiyo キズを早くきれいに治すパッチ 超薄型 顔用14枚/525円(税込、以下同)
生活のなかでうっかり顔に傷をつくってしまうことがあるが、顔の傷を晒して歩くのは恥ずかしいという方も少なくないだろう。そんなときに活躍してくれるのが、傷用のパッチだろう。
「matsukiyo」からも「キズを早くきれいに治すパッチ 超薄型 顔用14枚」が525円で販売されており、「目立たなくていい」との声が上がっているのだが、使用の際には注意が必要だ。というのも、この商品を購入した一部のユーザーから、”剥がれやすさ”を指摘する声が多く挙がっているのだ。
実際に使ってみると、エンボスフィルムという特殊フィルムが表面に採用されているためか、素肌に貼ってもほとんど目立たなかったので驚いた。しかし、貼って半日もする頃には端が浮いてきてしまったので、剥がれやすいという指摘もうなずけた。
とにかく顔に貼っているパッチを目立たせたくないという方には良い商品かもしれないが、半日以上パッチを貼り替える余裕のない方などには、おすすめできない商品となっているのである。
メラノCC 集中対策マスク 大容量 30枚/998円
夏は日焼けと無縁ではいられない季節。大前提として日焼けの予防は大切だが、もし日焼けをしてしまった場合にはアフターケアが重要になってくる。そんなときに活躍してくれるという触れ込みで販売されているのが、マツキヨ限定のパック「メラノCC 集中対策マスク 大容量 30枚」。だが、こちらの評判に耳を傾けると気になることがある。
多くのユーザーが口にしているのが、パックのサイズが顔に合わないということ。「鼻と口の間がほぼ無いに等しい」「目の周りが不自然にあいていてカバーできない」などの意見が、あまりにも多い。
実際に買って使用してみると、確かに目の周りがかなり大きく空いており、鼻と口の間にはほとんどマスクがないことが確認できた。マスクが足りていない部分が出てきてしまうため、なんとか合わせようとして引っ張ると、次は顎や頬が出てきてしまう。マスクの保湿効果は実感できたので悪い商品とまではいえないが、やはり使い心地の悪さは否定できないだろう。
matsukiyo カーペットクリーナー すじ入り替 90シート×3巻入/283円
カーペットに落ちる髪の毛やホコリなどの汚れの疎ましさは、どの季節にも共通している。しかし、裸足で過ごすことが増える夏であれば、普段以上にその不快感を抱くのではないだろうか。そのため、カーペットクリーナーをかける機会も増えるかもしれないが、マツキヨの「カーペットクリーナー すじ入り替 90シート×3巻入」は、購入する前に十分検討することが肝要だろう。
実はこの商品、マツキヨ公式オンラインストアにおいて、購入者から「粘着力がない」との指摘を多く受けているのだ。なかには「口コミを書かずにはいられないくらい酷い」という書き込みまで見受けられた。
手で触れてみた感じは、粘着力が弱いこともなさそうに思えたが、実際にカーペットのうえで転がしてみると、確かに粘着力が頼りない。カーペットの上の細い毛は絡め取ってくれるが、少し大きいホコリやカスなどはくっつかないのだ。一応、目的は果たしてくれるのだが、「わざわざマツキヨでこの商品を選ぶ理由はないのでは?」と思わずにはいられない。
matsukiyo 焼きいもスティック 60g/138円
「matsukiyo」からは、食品も多く販売されている。小腹が空いたときにサっと食べられるような小袋のお菓子やヘルシーな食品が多く、現代人のニーズを汲み取って開発している印象だ。しかし、「焼いもスティック 60g」に関しては、あまり良い評価が聞こえてこない。
公式サイトでこの商品のレビュー欄を見てみると、「一口で捨てました」「パサパサで固く、端の方は少し焦げた匂いがしました。味も甘くなく美味しくなかったです」など、なかなか辛辣な声が目立っている。
実食してみると、確かにかなり固めで、噛み切るのにひと苦労。味に関しては、甘さが少ないどころか味をほとんど感じることができず、まるでゴムを食べているかのように感じられた。商品名を聞かずに食べれば、いもを使ったお菓子であることさえ当てられないだろう。
「matsukiyo」からは、ユーザーから好評を博すお菓子も多く展開されているので、わざわざこちらを選ぶ必要はないだろう。
基本的には低価格で、品質にも優れた商品を多く出している「matsukiyo」だからこそ、イマイチな商品を引き当ててしまったときの後悔がより大きく感じられてしまうだろう。この記事を参考に、満足のいく買い物をしていただけると幸いである。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年7月6日現在のものです。