毎年、夏バテで体調をくずされる方、毎日、朝食を食べていますか? 朝食を食べないことが、夏バテを助長しているかもしれないのでご注意ください。
朝食を食べない主な理由としてよく耳にするのが、「就寝時間が遅いため食欲が出ない」「朝食を食べると胃腸が動いて通勤途中で用を足したくなるので食べない」「朝食を食べると太るから食べない」です。しかし、どんな事情があるにせよ、1日の始まりの朝食は是非とも食べていただきたいと思います。
朝食の欠食は、体温の上昇が緩慢になることから代謝が上がらなかったり、1日に必要な栄養が不足することから夏バテをはじめ体調に悪影響を及ぼしたり、仕事の効率がダウンしたりするので、体によいことがあまりありません。
そして時には、肥満の原因をつくってしまいます。昼食の時間に、食べたい気持ちをずっと我慢していることから空腹のあまり早食いになり、その結果、食べ過ぎてしまうこともあります。昼食前にお腹が空いて中途半端な時間に菓子パン、おにぎりなどを食べてしまったり、カロリー過多になる場合もあります。こういったことから肥満の原因をつくってしまうのです。
では、起床後、朝食をしっかりと食べるとどんな良いことがあるのでしょうか。
まず、夏バテ予防になります。それは、体本来のもつ生体リズムが整うからです。生体リズムとは、体がもつ生命現象の周期的なリズムをいいますが、朝食をとることがリズムを整える手段とされています。体の不調は生体リズムが乱れていることが原因のひとつと考えられています。
また、朝食をとることで、1日に必要な栄養素の補給もできます。体と脳へエネルギー補給ができ、集中力が高まり仕事の効率が上がります。「お腹が空いたぁ」といった雑念が浮かばなくなります。
ほかにも余分な間食をしないですむため、肥満予防になったり、胃腸の働きが促され便秘の予防・改善につながったりします。朝食を食べて排泄するのは、体のリズムが整っている証だと考えられます。
夕食は食べすぎない
近年の研究成果によると、セカンドミール効果といって、昼食以降の血糖値上昇が緩やかになるといううれしい効果もあり、血糖値が気になる方には朗報です。
とはいっても、「朝食で何を食べたらよいかわからない」「料理もできないし、仕事の残業もあるし、早く帰って寝ることもできないから無理」など、いろいろ反論が聞こえてきそうです。
何を食べてよいかわからない方は、コンビニエンスストアで、サンドウィッチあるいはおにぎりと野菜サラダとゆでたまご、牛乳あるいはヨーグルトを選んでください。朝食メニューが揃います。
そして、今日から夕食は、食べすぎないことを心がけてください。夕食が遅ければ遅いほど、食べ物の消化が寝ている間に十分できないため、起床後、空腹感がありません。内臓の働きにもリズムがありますので、それに従ってほしいと思います。
たとえば、肝臓は午前中に活発に働き、夜に働きがダウンします。すい臓は、昼過ぎから夕方にかけて活発に働き、夜に動きが落ちていきます。そのため、夕食でたっぷり、ごはんやおかず、お酒をとると、肝臓やすい臓に負担がかかります。
夕食は食べすぎないこと、できれば腹七~八分目の食事量にすることが内臓をいたわる食べ方となります。
暑い夏を健康的に乗り切るために、朝食を食べて夏バテ知らずの体をつくっていきましょう。
(文=森由香子/管理栄養士)