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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

私が「子供に牛乳やサラダ油を摂らせてはいけない」といい続ける理由

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

スポーツイベントが多すぎる?

 筆者は、講演などでも「東京オリンピックなんてやっている場合じゃない」などと声高に唱えているので、“危険な思想を持った人”と思われているかもしれませんが、真実を知っている者としては、ごく当たり前の反応でもあります。

 そもそも、スポーツイベントが多すぎると思いませんか。相撲も好きだし、プロ野球も応援しますが、なんだか年がら年中何かのスポーツイベントが開催されているようで、それはいかにもおかしいと思っているのは筆者だけなのでしょうか。夏のオリンピックが終わったかと思えば、サッカー・ワールドカップ、冬のオリンピック、アジア大会、その合間合間に、アイススケート、テニス、ラグビー、ゴルフ、バスケット、マラソン、水泳、ボルダリング……、休む間もなく次から次へとスポーツイベントがあり、全部見ていたらそれこそ寝る間もなくなって健康を害してしまいそうです。

 Screen(映画)、Sport(スポーツ)、Sex(性産業)を用いて、大衆の関心を政治に向けさせないようにする「3S政策」が実在したかどうかは知りませんが、大事なことに消費者が目を向けなくなっていることだけは事実のようです。その結果として誰かに、または特定の企業に、多大な利益をもたらしているということはあるでしょう。国民がスポーツ観戦に浮かれている間に、大事な法案がほとんど審議もされぬまま通過しているわけですから。その法案が通った後、実行に移されて、数年後には莫大な利益がどこかに転がり込むという構造があるとしたら、それこそが3S政策なのかもしれません。

 だからといって、オリンピックをやめれば何もかも解決するわけではありませんが、こんなことやっている場合ではないという認識を、もう少し多くの国民が持つことができればと、虚しい期待を抱いてしまいます。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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