スポーツイベントが多すぎる?
筆者は、講演などでも「東京オリンピックなんてやっている場合じゃない」などと声高に唱えているので、“危険な思想を持った人”と思われているかもしれませんが、真実を知っている者としては、ごく当たり前の反応でもあります。
そもそも、スポーツイベントが多すぎると思いませんか。相撲も好きだし、プロ野球も応援しますが、なんだか年がら年中何かのスポーツイベントが開催されているようで、それはいかにもおかしいと思っているのは筆者だけなのでしょうか。夏のオリンピックが終わったかと思えば、サッカー・ワールドカップ、冬のオリンピック、アジア大会、その合間合間に、アイススケート、テニス、ラグビー、ゴルフ、バスケット、マラソン、水泳、ボルダリング……、休む間もなく次から次へとスポーツイベントがあり、全部見ていたらそれこそ寝る間もなくなって健康を害してしまいそうです。
Screen(映画)、Sport(スポーツ)、Sex(性産業)を用いて、大衆の関心を政治に向けさせないようにする「3S政策」が実在したかどうかは知りませんが、大事なことに消費者が目を向けなくなっていることだけは事実のようです。その結果として誰かに、または特定の企業に、多大な利益をもたらしているということはあるでしょう。国民がスポーツ観戦に浮かれている間に、大事な法案がほとんど審議もされぬまま通過しているわけですから。その法案が通った後、実行に移されて、数年後には莫大な利益がどこかに転がり込むという構造があるとしたら、それこそが3S政策なのかもしれません。
だからといって、オリンピックをやめれば何もかも解決するわけではありませんが、こんなことやっている場合ではないという認識を、もう少し多くの国民が持つことができればと、虚しい期待を抱いてしまいます。