明日はハロウィン。「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」は大人にお菓子をおねだりする子どもたちの魔法の呪文ですが、お菓子のなかにチョコレートが入っていると食べられない子もいることを知っていましたか? 乳製品のアレルギーがあるため、甘くておいしいチョコを食べたことがない子もいるそうです。
知っていそうで知らない「食物アレルギー」の実態について、ファッションモデルでアレルギーナビゲーターの細川真奈さんに聞きました。
赤ちゃんのときから重度の食物アレルギーに
――細川さんは小麦、卵、乳製品、ナッツ、山芋、大豆、白米、牛肉、豚肉、鶏肉、甲殻類、ほうれんそう、南国の果物など、たくさんの食物にアレルギーがあったそうですね。
細川真奈さん(以下、細川) 私は離乳食のときに食物アレルギーが発覚しました。血液検査でたくさんの食べ物で陽性反応が出てしまい、とりあえずそれらの食べ物を除去しました。
――でも、今では卵、乳製品、山芋、一部のナッツ類以外は食べられるそうですが、どうやってアレルギーを克服されたんですか。
細川 当時は「完全に除去」「漢方でデトックス」「新薬を使う」の3択しかありませんでした。そのうち、母は「完全に除去」を選んだのです。年に1回血液検査をして、アレルギーの数値がクラスゼロになった食べ物について、病院で経口負荷試験を行いました。本当に少しずつ試していって、問題がなければ食べ始めるという方法を取ってきて、ようやくここまで減らすことができたんです。
――除去すると食べ物の選択肢が減ることになりますが、大丈夫だったんですか。
細川 私は牛乳を1回も飲んだことがありませんでしたが、身長は160cmありますし、小学校のときも背の順でずっとクラスの後ろのほうでしたよ(笑)。
――命にかかわるようなアレルギー症状が出たこともあるのですか。
細川 一番ひどかったのは乳製品でした。高校2年生のとき、部活の友人たちと東京ディズニーランドに遊びに行って、スタッフさんに確認せず、サフランライスだと勘違いしてバターライスを食べてしまって……そのときは血圧が上が50ぐらいまで下がって、生きるか死ぬかの事態になりました。友人たちが担いで救護室に連れて行ってくれて、すぐに救急車で病院に運ばれたんですが、救急車の中では意識がなくて、完全にアナフィラキシーショックの状態でした。
――そういうときは、血圧を上げるアドレナリンを太腿に注射するそうですが、その注射器セットは持っていなかったんですか。
細川 アドレナリンの入った注射器セットは「エピペン」といって、自宅には常に置いていたんですが、やっぱり自分で打つのは怖いので持って行かなかったんです。海外旅行に行くときは必ず持ち歩いていますが、普段持ち歩くのは緊急用の飲み薬だけです。